第一章 ハジマリ
第20話 木枯らし荘の昼下がり
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「あ、アステリ……?」
「アハハハハハ……! はぁー、おかしいッ」
アステリは目に溜まった涙を手で拭うと、乱れた息を整えワンダバに近付いて行く。
と、ワンダバの頭や頬、耳や身体と言った様々な部位を触り始めた。
「お、おい……っ!」
「へー……触った感じもぬいぐるみみたいだねー……」
「私はぬいぐるみでは無い!」
「……アステリ……驚かないの?」
アステリの言動に驚きながら、フェイはそう不安気に尋ねる。
そんな彼を安心させる様にニコッと笑うと、アステリは「そうだねぇ」と話し出した。
「確かに、喋って動くクマのぬいぐるみなんて初めて見たけれど……ボクにとってはこの世界の全てが初めて見るモノばかりだから、そこまでビックリはしないかな」
「だから平気だよ」と笑うアステリの笑顔を見て、フェイは「そっか」と安堵の言葉を零した。
「それにしても、この世界は凄いね。ボクの世界のぬいぐるみは喋ったりしないよ!」
「いや、この世界でも普通は喋ったりしないよ……」
無邪気な笑顔のまま冗談なのか、素なのか分からない調子で話すアステリに、フェイは苦笑いを浮かべながらそう告げた。
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