37話「二章エピローグ〜冬の訪れ〜」
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ラッドイーターは、どんな奴だった?」
「そうですなぁ……飢えて困っていた拙者を救ってくれた恩人……でしょうか?
お腹が空いて空いて仕方ない時に、狩ってもらったウサギ肉の味が忘れられません。
あとは動くタマネギとか、空飛ぶスバゲッティとか色々ありますな」
これ、同種族だったら、恋愛関係になっていたようなエピソードだな……。
動くタマネギ……はて……僕の記憶の片隅に引っかかるような……?
この手の冗談が、流行しているのだろうか?
『犬さんの黒歴史だお』
『うむ……黒歴史だな……あれは……』
不思議な事を言う邪神達だ。
動くタマネギという単語を聞くだけで、脳みそが拒否反応を起こして、現実味が全く感じられない。
なぜか、これ以上の事を知る気力が喪失するが……ホワイトの言葉はまだまだ続いた。
世間話をしたがる主婦のごとく、長話が続くのである。
「師匠は師匠で自分の人生に苦悩しているお方でした。
なんでも……生まれ育った村から追い出され、幼い頃から剣1本で自活する事を強いられたそうです。
確か追い出された理由は……『何が原因か分からないが、祭っている大木を切断したら、村の皆に殺されかけた』とか」
いや……信心深い地域でそんな事をしたら、誰だって殺されそうになると思うぞ……。
剣スキルを得たせいで、色んな物を試し切りしまくったんだな……。
「そして、剣1本で成り上がるといえば、傭兵団。
オグド傭兵団と呼ばれる所に入って、そこでますます剣の腕を磨いてひと財産を築き、都市に豪邸を建てるほど儲けたそうな。
なぜか飛んでくる矢や、接近してくる敵部隊を事前に察知できて、戦場では不敗の名将と呼ばれていたそうです」
『オグド』
『略奪共同体の長だお』
剣の技能を極限まで極めていれば、単独で敵軍の戦列なんか崩し放題だったろうし……報酬のほとんどを搾取されていたんだろうなぁ……。
あれだけの腕で、城を建築できる金が貯まらない時点で可笑しいと思う。
オグドが60万規模の略奪共同体を結成できた理由がわかったぞ。
ブラッドイーターを最大限酷使して、組織を拡大したんだな。報酬は剣で良いだろうし。
「ある日、師匠は小さな国で道場を開いたそうですが……まぁ、本当に残念ながら、師には教える才能が皆無でしてな。
天才は教師に向いてないという有名な名言がある通り、剣に関して天才的な才能を持つ師は、才能がない者達がどう導けば良いのかさっぱり分からなかったそうです。
拙者も、師から剣術を習いましたが……小さい幼女に大剣を渡す、とんでもない師でした。
大剣は鎧ごと相手を殺せる戦場の剣とか何とかかんとか言ってましたが……恐らく、要らない剣を拙者にプレゼントしたのだと思います。
ゴブリンの身には扱い辛い人間用の大剣で
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