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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百四十二話 器と才
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るのだろう。
「能力が有ってもそれを制御するのはその人の心だ。人としての器と才、その釣合がとれていれば良いが、そうでなければ危険だ……。ローエングラム伯を危険視する人間は多かったが司令長官を危険視する人間は居ない。安心してついていける方だと思っている」
メルカッツ副司令長官が私を見ている。穏やかな表情だ。信じて良いのだろう。
「そろそろ会議の時間だ、会議室へ行こうか」
「そうですね、初日から遅刻するわけにはいきません」
メルカッツ副司令長官が部屋を出る、その後に続いて部屋を出た。これからは此処が私の職場になる。ゼークト、もう一度私はイゼルローン要塞に戻るだろう、卿の無念を晴らすために……。
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