36話「犬さん、荷車要塞を目撃する」
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
今、僕の意識は、この遠い地にあるが、モフモフ村にいる僕の体はモーニャンの大きな尻尾をモフモフしながら昼寝中だ。
モフモフな獣娘がいる限り、天国になる可能性が幾らだってあるんだい。
オグド隊長に待っている未来は……地獄だろうけどな。
「私たちはナポルの犠牲を無駄にしないためにも、冬が来る前に平原を突破しなければならない。
平原の南側は比較的、暖かいと聞くが、雪でも降ったらおしまい……とまでは行かなくとも、とても苦労するだろうな」
「分かりましたッス!
急いで進軍できるように、もっとちゃんとした補給計画を立てます!」
「うむ、よろしく頼んだぞ、バンド。
君の後方支援能力を私は高く評価している」
「隊長……」
……うげげっ!まさかゴブリン同士でも同性愛とか、ホモ文化があったりするのだろうか?
2匹とも熱い目線で相手の事を見つめている。
確かにバンドは女っぽい声をしているし、背丈も低い。
だが、男同士でやるか普通?
尻尾なしどもの考えは僕には分からな――
「くれぐれも、女だとばれないように気をつけるのだぞ?」
「はい、わかったス!」
『え?バンドが女って伏線あったかお?』
『ゴブリンの性別なんてどうでもいいから、気づくはずもない件』
なんだ……男と女だったのか。
鶏のヒナの性別並にどうでも良い問題だった。
勝手にイチャついてくださいよ……もう……。
戦場に男装娘を持ち込むのは、戦場のテンプレだけどさ……ゴブリンでこのオチはないと思う……。
『犬さん、荷車要塞の評価はどうだお?』
うーん、荷車城塞か……。
この戦術を発展させて、帝国へと進行してきたら厄介な事になりそうだなぁ……と思ったのだが。
これ、今の状況で役に立つのか?
ゴブリンと共食いしながら現地へ向かうとはいえ、相手は遊牧民族。
普通に……荷車要塞が厄介だと知ったら、周辺に騎兵を出しまくって移動を妨害して、冬が到来するまで徹底的に足止めを兼ねた嫌がらせを行うのではないだろうか?
遊牧民族ってほぼ全部、騎兵だろ?
こんな状況になったら、どうするんだ?
馬 馬 馬 馬
馬 車 門門門 車 馬
馬 車 車
馬 車 馬馬 車
馬 車 車 馬
馬 車 車
馬 車車車車
馬 馬 馬 馬
……移動も、撤退もできないように、騎兵集団に広く包囲されて、一匹残らず飢えたり、寒さで凍えて死ぬと思う……
その後、略奪共同体の情報は、平原の地で途絶え、オグド隊長の名は歴史の片隅へと消え去ったそうな――
っていう展開になったら、僕は爆
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ