35話「犬さんのブラッドイーター戦 終」
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している剣を次々と落とし、両手で黒い愛剣を握った。
迫り来る矢のほとんどを回避し、回避できない矢だけを剣で叩き落とす戦術へと移行……げげげっ!
装備品を減らす事で、身軽になってスピードをアップしやがった!
『あれ?犬さん?』
『負けそうな雰囲気だお?』
「ふははははははっ!軽いっ!体が軽いぞぉー!
今なら、貴様を容易く斬れるぅー!
さらにぃっー!」
茂みを防御壁代わりにしたブラッドイーターが勢いよく、小瓶を取り出し、白い粉を飲み込んだ。
匂いから考えて、恐らく……麻薬である。身体を興奮させる作用のアレ。
現実の略奪共同体も、兵士を洗脳するためによく使うから、ブラッドイーターも当然のごとく持っていたようだ。
「今の俺は最強だぁぁぁぁ!痛みも恐怖も感じないっ!
最高にハイッって気分だぜぇぇぇぇぇ!
まずはホワイト!貴様から殺してやるぞぉぉぉ!」
落とし穴を利用しまくる僕を殺す難易度が高い……そう、判断したブラッドイーターが、ホワイト目掛けて走った。
その背中に向けて、僕は矢を放つが……索敵系スキルで攻撃が探知され、後ろに目があるかのような感じに回避されてしまう。
ブラッドイーターは途中にある落とし穴に、何度も引っかかり、足がボロボロになりつつあるのに速度が緩まない。
頭を下げてホワイトの矢を回避し、距離を詰めた。
咄嗟に彼女は化合弓を掲げて盾にするが、黒い剣が袈裟斬りに、美しい少女の――
『罠に引っかかりまくりだけど、どれも軽傷を負わせる罠だらけすぎて意味がない!?』
『ホワイトたんっー!』
小さな胸を切り裂いた。
シャツが化合弓ごと、バッサリと切断され、衣服が血に染まり、ホワイトは地面へと倒れた。
出血多量死しかねない。僕は急いでブラッドイーターの攻撃をやめさせるべく、矢を弓のケーブルに番える。
チャンスは一度。
地面に倒れているホワイトへトドメを刺そうとするブラッドイーターの一瞬の隙。
矢を回避できない、そんなタイミングで仕留める事ができなければ――ホワイトは死ぬ。
もちろん撃つならば、最速の矢でなければならない。
すなわち、膨大なエネルギーを込めた軍船撃沈矢を撃たなければ防御される。
体内に残った魔力を消費させまくり、心臓の脈動を早めて、動きを加速させる。
この一撃で全てを決める!
『犬さんー!博打やりすぎぃー!』
『うわぁぁぁぁぁ!ここで犬さんが死んだら全てが終わるぅぅぅ!』
『ヤハウェ様!破壊神様!モフモフ様!助けてぇぇぇぇぇぇ!』
軍船撃沈矢っー!
超高速の矢が解き放たれた。風を切り裂き、音の壁すら突破し、ブラッドイーターに迫る。
だが、ブラッドイーターは――黒い愛剣を手放し――
「馬鹿め!俺にこのナイフを与えた事を忘れたかぁー!」
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