32話「犬さん、ブラッドイーターを誘惑する」
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べき、愛刀ならぬ愛ナイフだ!」
……単純に、この光景だけを見たら、ブラッドイーターに良い武器プレゼントしてどうするんだぁー的な光景なのだろうが、これは布石に過ぎない。
このナイフは『餌』だ。
僕は、100mほど先にある茂みから飛び出て、大声でブラッドイーターへと話しかける。
「師匠ー!話がありますー!」
そう――ホワイトの十歳児ボディを借りてね。
胸は小さくて動きやすい、シャツとズボンは活動的な衣服だから、移動の支障にもならない。
むしろ、逃げるだけなら、三歳児の身体より遥かに優れている……単純に、足がスラリッと長いから、走る速度が違いすぎる。
筋力も怪力だから、多少の無茶は出来そうだ。
(体を主様に操縦されるとは……ドキドキしますなぁ……。
胸はまだまだ発展途上ですので、心配しないでくだされ……)
ホワイトの心の声が響いてくる。
……心まで変態でやんの……ドキドキ興奮されたら僕まで興奮しちゃうだろ……。
あ、ホワイトの動向を気にしている場合ではなかった。
100mの距離があるとはいえ、スキルスロット持ちの化物が相手だ。
ナイフを投げてくる可能性だってあるから、集中を散らしてはいけない。
僕は銀髪ロリの顔で、作り笑顔を浮かべながらリラックスする。
「師匠ぉー!もう一度言いますが……大事な話がありますー!」
「くくくっ……試し斬りに丁度いい奴が来たっ!
さぁ来い!どれだけ強くなったのか見せろみろ!真っ二つに両断してやる!」
「うわぁ、なんて酷い反応。
ここは久しぶりだなとか、何のためにここにきたとか、問うべき状況だろ!?」
「久しぶりだな!斬らせろ!」
「礼儀だけ守っても、発言内容がひどすぎる!?」
「何のためにここに来た!俺はお前をとにかく斬りたい!」
……律儀なやつである。
幸い、ブラッドイーターは近づいてこない。
精鋭ゴブリン達は、獲物を横取りする訳には行かないと思っているのか、弓で攻撃してくる気配はない。
よしよし、良いゴブリン達だ。
お前らの頼りになる最高戦力を……僕が有効活用してやろう。
そしてっ!ゴミのように用済みになったブラッドイーターを潰してやる!
「師匠ぉ!そのナイフを作ったのは僕ですー!ダマスカス鋼っていう凄い金属で出来ていて、鎧を切断しても刃こぼれが起きませんっー!
でも、ナイフだとリーチが足りないでしょ?
そのナイフじゃ、師匠の凄い剣術を生かせませんよー!」
「むむっ!?……た、確かにっ……!
ナイフは短くて使い辛いっ……!
やはり最低でも……ショートソードくらいの大きさが欲しいな」
「この場にいる全てのゴブリンを切り刻んだら、そのナイフと同じ金属で出来た剣をお渡ししますっー!
頑張ってくださ
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