802部分:第百二十四話 争いの女神その三
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第百二十四話 争いの女神その三
「では楽しむがいい」
「そう言って下さいますか」
「我等に楽しみを下さるとは」
「有り難き幸せ」
「さて、シオンよ」
エリスは彼等の言葉を受けながらだ。あらためてシオンに告げてきた。
「よいか、それで」
「争いの女神との闘いの前にか」
「そういうことになる。そなたの相手は四騎士が務める」
その四人が誰かも言ってみせるのだった。
「私との闘いの前にじゃ」
「エリス様の御手をわずらわせるまでもない」
「我等のこの手でだ」
「教皇を倒してみせよう」
「是非共な」
「いいだろう」
シオンもまた、であった。それを受けるのであった。
「それではだ」
「よし、話は決まりだな」
「エリス様、それではです」
「まずは我等が」
「倒すのならそれでいい」
それもいいというエリスであった。
「それもまたじゃ」
「宜しいのですか、それで」
「我等が教皇を倒しても」
「それで」
「面白いことを言うのう」
彼等のその言葉を受けてだ。エリスは今度は楽しそうに笑ってみせて言うのであった。
「それはまた」
「面白いといいますと」
「それは何故でしょうか」
「戦いとなれば相手を倒すもの」
エリスがここで言うことはこれだった。
「答えは出ているではないか」
「有り難き御言葉」
「それでは」
「その御言葉に甘えさせてもらいます」
「甘える必要もない」
また微笑んで述べたエリスだった。
「それもじゃ」
「では純粋に戦えというのですか」
「そういうことですか」
「そうじゃ。そうするのじゃ」
微笑みはそのままだった。そうしてだ。
「では、私は戦衣を着ける」
「はい、では」
「エリス様のその御姿を見させてもらう為にも」
「ここは」
あらためてシオンを見る。そうしてであった。
「倒させてもらおう」
「それでいいな」
「私は誰であろうともだ」
彼等の言葉を受けながらだ。そのうえでまた言ってみせるのである。
「そして何処であろうと何時だろうとだ」
「戦うというのだな」
「そういうことか」
「その通りだ。そのことは他の者達と同じだ」
そうだともいうのである。
「わかったな」
「教皇の首を獲れば勝利は貰ったも同然」
「それならばだ」
「ここは何としてもだ」
「覚悟もできているようだしな」
四人はそれぞれ動いて扇形の陣を組む。それで半月でシオンを囲んでだ。
それぞれの小宇宙を湧き上がらせてだ。そして言ってきた。
「では、だ」
「今からだ」
「戦わせてもらおう」
こうして四人とシオンの戦いがはじまる。シオンの力が今出されようとしていた。
第百二十四話 完
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