第3章:再会、繋がる絆
第81話「一時の休息」
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「奏はまだまだ伸びしろがあるさ。短期決戦なら、僕を上回れるだろうしね。」
「....うん。」
さて、模擬戦も終わった事だし、どうするか...。
「(....それにしても...。)」
ふと、そこでアリシアの事を思い出す。
「(あの潜在霊力...。)」
椿と目が合い、葵にも目配せして頷く。
...まずは、一端奏と別れるか。
「...やっぱり優輝も気づいていたのね。」
「ああ。さすがにな。」
「あれにはあたしも驚いたよ。」
奏と別れ、やってきた...というより、戻ってきたのは僕の部屋。
...もう、三人の部屋って事でいいんじゃないかな?
「模擬戦の事を頼む時、まさか動揺を隠す事になるとは思わなかったよ。」
「...今のこの状況じゃ、不用意に教えても意味がないものね。」
会話の内容は、もちろんアリシアの事。
...そう、さっきまで一緒にいたアリシアについてだ。
「潜在霊力...あれ、今の優輝を軽く超えてるわよ。」
「江戸の時でもあれほどの陰陽師はあまりいないよ。」
「ましてや、アリシアは霊術の一つも使えないしな。」
アリシアには、途轍もない霊力が眠っていた。それも、僕を軽く凌ぐほどの。
さすがに、今の椿たちには及ばないが、初期でこれ程なのは異常だ。
「霊術と関係ない暮らしをしてきた人間が、あそこまで霊力を秘めているのはあり得ないわ。それに、ついこの前まではその兆候すらなかったのに...。」
「何か理由がある....と。」
まぁ、それ以外に考えられないな。
「変わったのは...偽物との戦いが終わってからか...?」
「...違うわ。あの時、ようやく合流を果たした時。...思えば、あの時点でアリシアから霊力を感じれたわ。...あの時は戦いの傷もあって気にしてなかったけど。」
「そうなのか...。」
...となれば、おそらく変わった時期は校庭での初の偽物戦....。
.....まさか...。
「魅了が解けた...から?」
「...さすがにそこまで単純じゃ...。」
「でも、原因の一つとして考えられそうだよ。」
あれ以外に僕らの知っている中で原因らしい原因はない。
だけど、それだけが原因とも考えられない。
「潜在霊力が感じられるようになったのは、おそらくそれまで魅了で抑え込まれていたから...。魅了が心や魂に作用しているのなら十分にあり得る...。」
「じゃあ、霊力が多いのは他に理由が?」
「...そうなるかな。」
“霊力が増えた”という原因としては考えられないが、“抑えていた”原因としては十分に考えられる。
「霊力
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