第3章:再会、繋がる絆
第81話「一時の休息」
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ず集中させる。
だけど、その外...もしくは少しずれた場所から攻撃されると、力が乱される。
戦闘に関しては未熟なアリシアには分かり辛かったが、概ね理解はしたようだ。
「ちなみに、奏が攻撃をずらすのには、移動魔法を使っている。」
「“ディレイ”...だよね?奏の移動魔法って言えば。」
「ああ。それを瞬間的に使用する事で、先程言った事を実践している。」
あらゆる“柔”の技を打ち崩す事のできる戦術だ。
現に、葵も奏の攻撃を“後から判断”して防いでいる。
「消費魔力も全体を見れば相当なものだが、そこはカートリッジや僕の魔力結晶を用いれば解決する事だ。偽物でもそうしてたし。」
「教えられたとしても早々実践できるとは思えないけど...貴方が教えたので間違いないのよね?」
「ああ。...あれは“僕でも防げない戦法”として教えたからな。実践できるかどうかは...まぁ、奏を信じただけさ。...それよりも、葵があれを初見で凌いだのが驚きなんだけど。」
あれはまさに初見殺し。偽物はあまりにも大きな力量差だったからこそ、初見でも普通に凌いでいたが、僕であれば一撃は確実に喰らっていただろう。
「....幻惑を扱う妖と戦った事がなかったとでも?」
「...あぁ、なるほど。」
奏の戦法は一種の幻惑に近い。なら、それと同じように動けば多少は防げる..と。
というか、やっぱり椿や葵たち式姫の戦闘経験は凄いな...。妖は様々な種類がいるから、その種類によって戦法も違い、その経験も凄まじいのだろう。
確かに僕も戦闘経験はムートの時代も合わせれば相当な量にはなるが、その種類は豊富ではないからな。
「おまけに、奏は先の戦闘と比べて上手く動けていないし、葵は以前よりも強い..か。」
「遠目で見ていたけど、一時的とはいえあそこまで戦えるのが異常なのよ。」
火事場の馬鹿力みたいなものか?土壇場だからこそ動きが良くなる的な...。
「...あ、奏が負けた。」
「新しい戦法だからな。先に魔力が尽きたか。」
見れば、戦闘に決着が着いていた。勝者は葵だった。
まぁ、奏のあの戦法も、葵は蝙蝠になる事で回避できるから、仕方ないか。
「じゃあ、記録取って私は戻るね。」
「ああ。時間を取って悪かったな。」
そう言って去っていくアリシアを後目に、僕は用意しておいた飲み物とタオルを持って二人の所へ走っていった。
「お疲れ。」
「いやぁ...奏ちゃん、強くなったねぇ...。」
「....負けた....。」
椿が回復術を掛け、僕は二人に飲み物とタオルを渡す。
奏、以前と違って目に見えて落ち込んでるな。
魅了が解けて感受性が高くなったのか?
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