第3章:再会、繋がる絆
第81話「一時の休息」
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っても、そんな絶対に済ませなきゃいけないって訳でもないんです。...ただ、改めてお礼を言いたかっただけで...。」
「お礼....か。」
おそらく、あの夢の中での話か、前世の事を言っているのだろう。
「改めて言わなくてもいいよ。僕がやりたくてやった事だ。」
「...そう、ですか...。」
そう言っても納得してなさそうなので、席を立って奏の頭に手を置く。
「僕にとっては、親しくしていた奏が魅了から脱した。それだけでいいんだよ。お礼を言いたいのも分かるけど、それならこれからは友人として接してくれればいい。」
「優輝さん...。」
「...その方が、僕も嬉しいからな。」
「...うんっ....!」
やっぱり奏には笑顔が似合う。
前世では、僕の知る限り最後の方以外あまり笑わなかったからな...。
「......。」
「かやちゃん、嫉妬してる?」
「はっ!?ば、馬鹿言わないで!そ、そんなはずないでしょっ!?」
ずっと黙ってた椿と葵がそんな会話を繰り広げる。
「えー?でも、羨ましそうに奏ちゃんを見てたよ?」
「っ....そ、そんな事....!」
否定しようとしている椿の視線は、必死に目を逸らそうと泳いでいた。
「...優輝さん、やっぱりモテてる?」
「...やっぱりって、どういう事だ...?」
「そのまま。」
ジト目で奏に言われる。....やっぱりってそんな事ないと思うが...。
「(でも、少なくとも緋雪と椿には好意向けられてるんだよなぁ...。)」
緋雪はもう死んでしまっているけど、間違いなくあれは好意を向けられていた。
それも、“シュネー”としてではなく、“緋雪”として。
僕は別にどこぞの主人公とかと違って鈍感ではないからね。
...鈍感じゃ、ないよな...?なんか自信が持てない...。
「....あ、そういえば、これ...。」
「あ、渡したままだったな。まぁ、半分は奏が持っていてくれ。」
「うん。ありがとう...。」
渡していた魔力結晶の半分を返してもらう。...尤も、だいぶ消費されてたが。
「優輝さんのおかげで、新しい戦い方も見つけれたよ。」
「そうか?...なら、よかった。」
まぁ、見つけれてなかったら時間稼ぎもほとんどできなかったけどね。
それがわかっていたからこそ、僕は魔力結晶を渡したのだ。
「魔力結晶がない状態で、どこまで使えるか試したいけど...。」
「...あー、さすがに、相手になるのはパスで。まだ回復しきってないしな。」
「あ、じゃああたしが相手になるよ。体力なら回復してるよ。」
試験的な模擬戦の相手に、葵が
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