801部分:第百二十四話 争いの女神その二
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第百二十四話 争いの女神その二
「だからこそだ」
「何もしないのじゃな」
「左様、何もしない」
こう言ってだった。実際に動こうとはしない。絶対にだった。
そのうえでだ。また言う彼だった。
「だからだ。早く身に着けるのだ」
「では。言葉に甘えてじゃ」
こうしてだった。エリスの目の前にだった。神話の時代の彼女の姿を模したその戦衣が出て来た。そうしてそれを見据えてであった。
「では遠慮なく着させてもらう」
「うむ、そうするといい」
「しかしよいのか」
「どういうことだ」
「私がこの戦衣を着ればだ」
その時のことを言うのである。
「貴様は勝てはしない」
「だからか」
「左様、必ず後悔することになる」
自信に満ちた声でだ。こう言ってみせたのである。
「それを言っておこう」
「言葉は受けた。だが、だ」
「貴様は聖衣を持ってはいまい」
「如何にも」
このことも認めるシオンだった。彼はあくまで嘘を吐こうとはしなかった。
しかしであった。彼はここでこうも言ってみせたのであった。
「聖衣以上に武器になるものがある」
「武器か。技か」
「それだけではない」
こう言うのだった。
「それだけではだ」
「ではその武器は何だ?」
「頭脳と目だ」
その二つなのだというのである。
「この二つだ」
「それで私を倒すというのか」
「そういうことになる」
「戦衣を身に纏い絶大なる力を得た私を」
余裕の笑みだった。見下してさえいた。
「倒すとはのう」
「確かに聖衣も戦衣もかなりの力を持っている」
シオンもそのことは認めた。
「しかし」
「しかしと申すのじゃな」
「教皇は神の先を読む」
こう言ってみせるのである。
「その先の先をだ」
「それが頭と目か」
「聖闘士を統率しアテナを補佐する。その教皇だ」
「面白いことを言う。さすれば私もじゃ」
「争いの女神エリスもまた」
「左様、同じじゃ」
教皇とだ。同じであるというのである。彼女自身の口からだ。
「狂闘士、そして四闘神達を統率するのう」
「左様です」
「そしてエリス様」
「宜しいでしょうか」
ここで、であった。エリスの後ろから四人の声が聞こえてきたのだった。
「遅れて申し訳ありません」
「しかしです」
「どうか我等にも」
「戦いの楽しみをお与え下さい」
「ふむ」
四人のその言葉を背に受けてだ。エリスは満足した面持ちで微笑んだ。
そのうえでだ。言葉をこう返したのであった。
「戦いたいのじゃな、そなた等も」
「はい、そうです」
「それは駄目でしょうか」
「我等もまた」
「よい」
微笑みをそのままにしての言葉だった。
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