80部分:第九話 知っていた罠その六
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第九話 知っていた罠その六
「それはな。私は残る四人との勝負をさせてもらう」
「ってことでいいんですね」
「そうだ。でははじめよう」
あらためてデスマスクに対して言ってみせた。
「聖戦の本格的なはじまりだ。いいな」
「その幕開けが俺ってのは何か嬉しいものですね」
「いいのか?命を落とすとしても」
「生憎俺は死神がスポンサーについてますんで」
デスマスクの不敵な言葉はサガに対しても遺憾なく述べられた。
「全然平気ですよ」
「そうか。なら心配はいらないな」
「そういう貴方はどうですか?」
デスマスクは逆にサガに対して問い返してみせた。
「四人ですよ、相手は」
「私のことも心配無用だ」
サガは落ち着いた声でデスマスクに言葉を返した。
「私は。ジェミニのサガはここでは敗れぬ」
「じゃあ。フォローの必要はないですね」
「既に背中合わせになっている。それだけで充分だ」
「そういうことですか」
「では。行くぞ」
自分の目の前にいる四人の狂闘士達を見ての言葉だった。
「地上とアテナの為の戦いにな」
「まあそういう御大層な言い方は苦手なんですがね」
それでもデスマスクもまた戦いに目を向けるのだった。今聖闘士と狂闘士の本格的な戦いが幕を開けたのだった。まずはロファールが動いた。
「キャンサー!」
「何だ、小僧」
デスマスクはその彼に応えて言葉を返してみせた。
「手前が相手か?」
「その通りだ、このヴァピュラのロファールの力見せてやる」
「俺の力もだ」
「俺も」
サムソンとアトロムも彼に加わってきた。
「三対一だ。何なら一対一でもいい」
「好きなのを選べ、キャンサー」
「生憎俺は面倒臭いことは嫌いでな」
またしても余裕に満ちた笑みを浮かべて三人に告げた。
「敵が多いんなら纏めて来てくれた方が有り難いな」
「ふん、それ程早死にしたいか」
ロファールはデスマスクの言葉を受けて血気にはやるようにして言葉を返した。
「ならば望み通りにしてやる」
「戦いの場においてこそその力を最も発揮する我が狂闘士」
「今その恐ろしさを見せてやろう」
「まずは三人だな」
デスマスクの余裕は相変わらずだった。まるで九人から五人になっても楽しめることに変わりはないのだと言わんばかりである。
「くたばるのは」
「死ぬのは貴様だ!」
「今ここで!」
三人はデスマスクの言葉が言い終わらぬうちに攻撃を浴びせてきた。まずはロファールからだった。
「インフィネットタスク!」
「むっ!?」
両手から無数の爪による攻撃を繰り出してきた。
「この攻撃を受けて生きていられるか!」
「次は俺だ!」
今度はアトロムが動いた。デスマスクを掴んで大きく放り投げる。
「ヘルズフラップ!」
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