贖罪-エクスピエイション-part5/狂乱のメンヌヴィル
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もなかったようだ。
シュウはメンヌヴィルを睨みながら彼の話に耳を傾けた。
「懐かしい!ずっと探し求めていた温度!コルベールではないか!久しいな『隊長殿』!」
「隊長……!?」
この単語に皆がなんのことかわからない中、アニエスは強く反応した。
「コルベール、先生が……隊長?」
「ほお、貴様も目を覚ましたか。死んだのではないかとヒヤヒヤしたぞ」
シュウが目覚めたことにメンヌヴィルは満足げに笑う。よく言う、本気で殺しにかかってきたくせにと、シュウはメンヌヴィルに不快感を募らせた。だが今は、奴がなぜコルベールを隊長と呼んだのか、だ。
「しかし先生?まさか教師になっていたのか隊長殿!成る程、通りで戦場で再会しなかったわけだ!
しかし、一体何を教えているんだ先生?人間の焼き方をか?」
その下劣な言動を聞いてコルベールは、さらにメンヌヴィルを、確かな殺意をもって睨み付けた。
「どう言うことだ……」
アニエスは激しく動揺していた。嫌な予感が、自分の中でよぎりだしていた。
「お前たちに教えてやる。そこにいる『炎蛇』、コルベールはかつて、このトリステインで特殊な任務を請け負った部隊を率いていた。俺は奴の副官だった。
中でも素晴らしかったよ隊長殿!あの20年前の夜、小さな村だったとは言え、
ダングルテールを村人もろとも焼き尽くしたあんたの炎は!」
「「「!」」」
シュウ、キュルケ、タバサは驚愕する。
村人を、焼き尽くした?あの穏和なコルベールが……
ひとつの村を……滅ぼした?
アニエスは今の衝撃の事実を聞き、顔を蒼白にした。
メンヌヴィルがコルベールを追い続けていたように彼女もまた、
故郷ダングルテールを滅ぼした憎き仇を殺すために生き続けてきたのだから。
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