贖罪-エクスピエイション-part5/狂乱のメンヌヴィル
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そして、二人の巨人たちはすれ違い様に刃を降り下ろした。
ネクサスとメフィストは互いに背を向けたまま、そのまま佇んでいた。
「どっちが勝ったの……?」
キュルケが皆の気持ちを代弁するように呟く。闇の世界のせいで不気味に感じる風が、静寂な空気を重くする。
すると、結果が少しの間を置いて表れた。
先にネクサスが膝を着いた。
「グア……!」
しかもそれだけではない。コアゲージの点滅が早くなっていた。やがて、ネクサスは半透明に透けた後、消えてしまった。
「そんな、ウルトラマンが……」
それを見て学院の人々の顔が青くなった。まさか、ウルトラマンが負けるなんて思わなかった。
メフィストは振り返り、元の姿に戻ったシュウを見下ろした。確かにこいつは、メンヌヴィルが求めていた力を引き出して向かってきた。だが、最終的に完全に堕ちきれなかった。
「力を引き出せたのは今の一撃か……期待外れだな」
自分でも不思議なくらいだった。あれだけ彼との戦いに興奮していたのに、メフィストはメンヌヴィルとして、シュウに失望を抱き始めた。
……が、ここでもメフィストに異変が起こる。胸に突き刺さるような痛みが走り出す。
「っグゥ!?」
胸を抑え、彼は自らの胸元を見ると……
ネクサスの光の剣で切り裂かれた切り傷が出来上がっていた。そのダメージは大きく、メフィストも黒く染まったコアゲージが赤く点滅した果てに、元のメンヌヴィルに戻ってしまい、倒れた。
まさかの二人の巨人の相討ちに学院の人々は、たった今目に映った光景に息を呑んだ。
二人の巨人の決着は、まさかの相討ちに終わった。ダークフィールドが解けて元の世界に戻り、変身が解けてしまったシュウ。
消えたネクサスを追ってコルベールが真っ先に、そのあとに続いてキュルケ、タバサ、アニエス、そして言いつけを破って外に出てしまったリシュまでもが追ってきた。他の生徒・教員と銃士隊の面々には、まだ火の手が収まっていない学院の消化と負傷者の救護を任せており、この場には今上げた面々しか追っていない。
ネクサスが消えた場所には、シュウが傷だらけの状態で転がっていた。それを見て、コルベールたちは絶句する。
「君…だったのか…」
その場に居合わせた誰もが確信を抱いた。
キュルケとタバサ、アニエス、コルベールをはじめとした彼らは……まだ学院の生徒と年の変わらない青年がウルトラマンであることに、強い衝撃を受けた。
「ぐ…」
シュウのうめき声を聞いて、我に返るコルベールたち。
「クロサキ君!大丈夫かね!?」
「酷い傷…タバサ!」
「うん」
駆けつけた時には意識がなかった。タバサが治癒魔法〈ヒーリング〉をかけてシュウのダメージを少しでも回復しようと図る。しかしシュウは目覚める気配がなかった。
「無理をするなと言
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