贖罪-エクスピエイション-part5/狂乱のメンヌヴィル
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「グアアアアアアア!!っぐ…!!!」
背中から落下しながらも、ネクサスは痛みをこらえながら立ち上がる。だがメフィストはすぐに彼の前に降りたって容赦なくネクサスを切りつけ、地面に押し付けた。
「こんなものか?あの時のお前の力はこんなものじゃなかったぞ?」
必死にもがくネクサスだが、メフィストが彼のエナジーコアの辺りを残っていた左手で地面に押さえつけ、身動きを封じる。
「さあ、もう一度見せてくれよ。アルビオンにいた頃に…
貴様がやたら気にしているアスカという男を…
圧倒的に蹂躙して見せた力を見せてくれ!!」
「…!?」
その言葉に、シュウは耳を疑った。蹂躙した…だと?俺が…アスカを?
「訳が…分からない…!何が言いたい…!!」
メンヌヴィルがいったい自分に何を言いたがっているのかまるでわからないネクサスが問うと、メフィストは妙に呆気にとられたような声を漏らしてきた。
「貴様…まさかまだ気づいていないのか?自分の力の正体に」
「力の、正体?」
「そうだ。前にも言っただろう?所詮、貴様も俺と同じ…血に飢えて血で、赤く染まった存在だとな」
「…一緒にするなと、言ったはずだ…!!」
ネクサスは自分のエナジーコアをつかんでいるメフィストの腕をつかみ、それを振りほどこうとする。だが
「いつまで足掻くんだ?いつまで光に未練を残している?いい加減に目を覚ませよ…口でどれほど否定しても、お前も俺と同じなんだ」
「違う!俺は…俺は…」
俺は…
『愛する少女も罪もない多くの人も死なせてしまった罪人』だ。
別の自分が、今の自分に対して言っているような感じで、その言葉が頭の中をよぎった。
そうかもしれない…そればかりか、自分を心配してくれていたティファニアも傷つけ、たくさんの人たちが傷ついて死んでいく光景ばかりが自分の周りで起こる…
「俺は…」
腕の力が、緩み始めた。
「おいおいどうしたんだ?いきなり腑抜けられては興が冷めるぞ」
メフィストはネクサスに、もっと楽しませてくれとせがんだ。相手が戦意を失っては相手を焼くしか楽しみがなくなる。こいつほどの戦士の場合、向かってきてくれた方が焼き甲斐があるのだ。
すると、メフィストの頭の中に何かが流れ込んだ。
――……シュウ…だめ…気をしっかり……
誰かがネクサスに、シュウに語りかけようとする声が聞こえる。その声の主の姿が浮かぶ。覚えがある顔だ。
奴が、やたら大事にしていた……メンヌヴィルにとって目は見えていないが、姿のイメージが頭に浮かぶ。目障りな何かが『そこ』にいた。
「こいつの中には、まだいるのか……」
メフィストが次に発したのは、どこか呆れたようにも聞こえた言葉だった。
まだ捨てきれていないのか、こんなちっぽけな光を!
「そんなもので腑抜けや
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