黄金獅子の下に 2
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白さが眩しいし……続きは一休みしてからにする。お前も休め」
休憩はするだろうが、自分をこの場から追い払おうとしているのは明らかだった。どうせ今夜も残業が確定だし、ベッカーの方から休憩の許可が出ることは少ないのだから、拒否する理由はない。
「じゃあ、食事とってきます」
「おう、ゆっくりしてきていいからな」
ゴンドラからは降りたが、コーヒーを飲みに行く気分にもなれず、白い艦艇を見上げる。
「さて……どうしたもんだか…って、どうしようもねえけどなあ」
思わず見惚れてしまう程の美しいフォルムなだけに、僅かなぶれが気になる。修正が必要なほどではなく、輪郭の際を塗る時に色むらが出ないように気をつければいい程度ではあるが、ここ数年もベッカーは塗り直しをしたことがないのだ。
幸い手の震えと緊張感はゴンドラを下ろすと無くなりはしたが、もう出ないとは言い切れない。あれ以上ぶれたら、今後こそ本格的な修正が必要になるだう。
「……? グリムの奴、もう戻ってきたのか。えらい早飯だな」
だがドックに入って来たのはヘルメットを被った軍人だった。入り口付近で白い艦に見入られたように立ち止まっている。
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