8話『復讐者と魔王』
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「そんなことはどうでもいい。アレはどういう意味だ」
「貴様!魔王様に向かってその態度はなんだ!」
「関係のない奴は黙っていろ!これは俺とコイツの話だ!」
俺は殺気を全開で出し、声を上げた悪魔を睨み付ける。
「フフッ。他意はないよ。君には妹の『レーティングゲーム』に参加して貰ったからね。そのお礼とでも思ってくれればいいよ」
「なら、尚更意味がわからないな。俺はそのゲームとやらでアンタに宣戦布告をした筈だ」
「あぁ。確かにアレには驚いたよ。でも、それとこれとは別だ。これは純粋に君への感謝の証さ」
「悪魔から感謝なんてされたくない。そもそも俺は、自分の為に戦っただけだ」
「ふむ。だが、せめて褒美だけは受け取って貰えないだろうか?」
俺は疑問に思っていた。
何故、魔王はここまで俺に褒美とやらを与えようとしている。
何か裏があるのではないかとも思える。
「何故、そこまでして俺に褒美とやらを与えようとする。アンタは何を知っている」
「先程も言っただろう?これは感謝の証だと?」
「それが気に入らないんだよ!悪魔が人間である俺に感謝だと?そんなものを信じるつもりはない!」
「ならば、私とゲームをしないかい?」
「何?」
その言葉は怒りで一杯だった頭の中を、一瞬で冷静にさせた。
「君が褒美を気に入らないのなら私とゲームをして、勝った時の戦利品とでも考えればいい。それでどうだい?」
「それは俺とアンタが戦うってことか?」
「いや、先程のライザー君とドラゴン使い君との戦いで、どちらが勝つのかを互いに賭けるだけだよ。もちろん、これを受けるのなら代価もつける」
「その代価とやらの内容は?」
「そうだな、『勝った方は負けた方に何でも言うことを聞かせられる』というのはどうかな?」
それを聞いた周りの悪魔共は騒ぎ始めるがどうでもいいことだ。
「のった。ゲームとやらをしようじゃないか」
俺がそう言うと、魔王が微笑む。
「では、君からどちらに賭けるのか、選んでもいいよ。私は君が選ばなかった方に賭けよう」
そう言った魔王は手元に映像を出し、兵藤とクソ悪魔の戦いを見せる。
「俺は兵藤に賭ける」
俺がそう言ったのは一瞬だった。
「良いのかい?この勝負で最も有利なのはライザー君だが?」
「あのクソ悪魔は負ける。兵藤にな」
「ちょ、ちょっと、大丈夫なの?」
夕麻が慌てて俺に聞いてくるが、何も問題はない。
「大丈夫だ。兵藤は勝つ。アイツはバカだからな」
俺はそう言うと、魔王の方を見る。
「先に言っとくが、俺がアンタから聞きたかったことはあのクソ悪魔を越える炎を扱う悪魔についてだ」
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