8話『復讐者と魔王』
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?」
何やらバカなことを言っていたが、途中で顔を上げた兵藤と目が合うと、なぜ俺がここにいるのかを聞いてきた。
だが、そんなものに答える必要は俺にはない。
「貴様等!何故ここにいる!ここは貴様等が来て良いところではない!」
俺は声のする方を見ると、そこにはあのクソ悪魔とグレモリーがいた。
「すまないね、ライザー君。これは私が用意した余興だよ」
クソ悪魔の隣から紅い長髪の男が出てきてそう言った。
「ドラゴンの力を見たくて、ついグレイフィアに頼んでしまいましてね」
「サ、サーゼクス様!そ、そのような勝手は!」
「いいではないですか。この間の『レーティングゲーム』、実に楽しかった。しかしながら、ゲーム経験もない妹が、フェニックス家の才児であるライザー君と戦うには少々分が悪かったなと」
「・・・・・サーゼクス様は、この間の戦いが解せないと?」
「いやいや、そのようなことは。魔王の私があれこれ言ってしまったら、旧家の顔が立たないだろ?」
なるほど、あの紅髪が魔王か。
俺は話を聞き、魔王が誰かを理解した。
「ドラゴン使い君。お許しは出たよ。ライザー、リアスと私の前でその力を今一度見せてくれるかな?」
「いいでしょう。このライザー、身を固める前の最後の炎をお見せしましょう!」
くだらない奴だ。
状況を理解できていない。
俺はそう思いながら、話の続きを聞く。
「ドラゴン使い君、君が勝った場合の代価は何がいい?」
「サーゼクス様!?」
「なんということを!?」
「彼も悪魔だ。お願いする以上はこちらも相応のものを払わねばならないでしょう。さあ、何が欲しいんだい?爵位かい?それとも絶世の美女かな?」
「・・・部長、リアス・グレモリー様を返してください」
「良いだろう。君が勝ったら、リアスを連れていけばいい」
話を終えた魔王は、次に俺の方に顔を向けた。
「待たせてしまって悪いね。こちらの話はもう終わったよ。次は、君との話をしようか。すまないが、こちらに来てもらえるかな」
「それが俺に対する罠ではないという証拠は?」
「君と話をするために呼んだんだ。そんな無粋なことはしないさ」
そう言った魔王の顔は真剣そのものだ。
「わかった。行くぞ、夕麻」
「え、ええ」
俺は夕麻を連れて魔王のそばへと歩いていく。
その間にそこら辺の悪魔からの視線と殺気を感じる。
恐らく夕麻もそれを感じているのだろう。
俺は軽く夕麻を俺の方へと抱きよせる。
「気にするな。この視線は俺に向けられたものだ」
俺は小声で夕麻にそう言い、魔王の前へとやって来た。
「夜遅くに来てもらってすまなかったね」
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