第192話 洛陽陥落
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応しいのよ!」
「賈文和、それが答えか? 董仲穎の見た夢を私の元で実現しようとは思わないのか?」
正宗は神妙な表情で賈?を凝視した。賈?は冷静な様子の正宗を睨み付けていた。彼女の耳には正宗の言葉は入らない様子だった。
「こんな奴のために段忠明は死んだということか」
正宗は落胆した様子だ。
「あんたに静玖さんの何が分かるというのよ!」
正宗の言葉に反応して賈?は叫んだ。
「お前よりは分かっていると思うぞ。段忠明は私に内通していた」
正宗の言葉に賈?は驚く同時にたじろいでいた。
「段忠明は私に内通したが逆賊として反董卓連合軍に討たれ死ぬことを選んだ」
「そんな。そんなの嘘よ。嘘っぱちよ!」
「嘘やない!」
賈?の否定の言葉を遮るように張遼が叫んだ。彼女は歯を食いしばり賈?を睨み付けていた。
「静玖さんはウチと気持ちを同じゅうしていた。このままじゃ月もみんなも死んでしまう。だから、ウチは車騎将軍の元に走った。全部お前のせいやないかい!」
張遼は怒りを顕わにすると周囲の目を余所にして、賈?の元に近づき賈?の首根っこを両手掴み持ち上げた。賈?は乱暴に持ち上げられながらも張遼を睨み付けた。
「裏切り者のあんたに言われる筋合いはないわ。どうせあんた達は私を騙そうという腹でしょ」
「こんな状況で賈?っちを騙して何の意味があるんや! 静玖さんはみんなことを考えていたんや。車騎将軍と月の和解を実現させ全て丸く収めるつもりやったんや。それを何や! 禁軍まで動かして車騎将軍を襲撃しおって! お前はおかしいんちゃうか! 何でお前みたいなやつのために静玖さんが死なんといけないんや!」
張遼は賈?の言いように頭にきて感情的に言葉をぶつけた。その様子を見ていた正宗は沈黙していたが張遼を止めた。
「張文遠、もうそのくらいでいいだろう」
張遼は正宗に制止され賈?を乱暴に放した。
「車騎将軍、すみません。少し熱くなりました。頭を冷やしてきます」
張遼はそう言うとその場から離れて言った。その背中は寂しそうだった。賈?が処刑される場に居合わせることが辛かったのか、守るべき董卓が死んだことで喪失感に苛まれたか、張遼の心は内は誰にも分からない。だが、張遼は董卓と段?が死に目的を見失ったことは確かだろう。
「賈文和、死罪を申しつける」
正宗は賈?に死を宣告した。
「賈文和、言い残すことはあるか?」
「劉正礼、あんたは地獄に落ちるわ」
賈?は恨みがましい目で正宗を睨んだ。その瞳を正宗は視線を逸らすことなく凝視した。
「とうに覚悟は出来ている。連れて行け」
正宗は賈?を見つめながら言った。正宗の命令に従い正宗軍の兵士達が連行した。
「
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