第19話:敗北の後に残ったもの
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撃されたのか、問い掛けた。
勝が部室を出た後、拓真達は謎のグループに襲撃されたことを結衣から知らされた。
しかも、そのグループはモルトと龍牙の二人を強制的にデュエマを挑んできた。
結果は黒星。その際、モルトは《燃える革命 ドギラゴン》を、龍牙は《極・魔壊王 デスゴロス》を、この2枚が奪われた。
幸いにも、拓真と拓斗とアイラの三人はデュエマを挑まれなかった、とのこと。
「と言う訳だ」
「大体のことはわかりました。ですが、どうして襲撃されたんですか?」
モルトの説明を聞いた勝は大体のことは理解したが、どうして襲撃されたのか。それが一番わからないことだ。
「わからない。ただわかっていることは……」
「アイツ等にとって、俺達は邪魔な存在なんだろうな」
モルトの言葉を続けて龍牙はそう言い、手元に持っていた缶ジュースを一気に飲み干し、そのまま握り潰した。
「と、兎に角、奪われたカードを取り返さないと!」
「そ、そうっすよ!その為にはデッキの強化っすよね?ね、兄貴?」
不安な感情を無理矢理振り払い、アイラはいつも通り、元気な声でそう言い、それに反応して拓斗は拓真に問い掛けた。
「その前に、二人の怪我が治ってからだ。それまではダメだ」
「そ、そんな〜」
「ちょっと、拓真!ノリが悪いわよ!」
折角エンジンを掛けたのに、拓真の言葉に拓斗は断念そうな声でそう言い、アイラはムッと頬を膨らましながらそう言った。
「………」
「ん?ショウ、どうしたの?」
「……なんでもない」
すると、先程から黙っている勝を見て、結衣は少し気になり、声を掛けるも、なんでもない、と勝はそう言った。
未だに言い合っている拓真と拓斗とアイラの三人とベッドの上で座っているモルトと龍牙を見ると何故だか自分が情けなく感じ、黙ったまま部屋を出た。
「……ショウ」
小さく彼の名を口にし、結衣は勝の背中を見ることしかできなかった。
それからと言うもの、学校にいる間、勝はあまり元気がなかった。同時に拓真や拓斗、アイラの三人共会話をせず、ただ一人でいることが多くなった。
「勝君、どうしたんだろう?」
「……さぁな。アイツはアイツで何か背負い込んでるんだろうな」
そんな中、アイラは拓真に問い掛け、それに対して拓真は冷たく、そう答えた。
「……拓真君って意外と冷たいよね」
「冷たいんじゃない。ただ、アイツは自分の問題は自分の力で乗り越えないと、自分の為にはならない。アイツは……自分で俺達にそう言った」
「勿論、モルトさん達が来る前の話っす」
その余りにも冷たい言葉にアイラは拓真にそう言い、それを聞いた拓真と拓斗は
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