第66話 罪邂逅
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るのが正解か分からなかった。
な、何か声を出さなければならない気がする。
「多分だけど......その罪って消えないと思う」
「......」
「あたしがレベルアッパーを使ってみんなを巻き込んだ事と同じでずっと残ると思う。比べるの間違っていると思うけどね」
「残る......そうだな......」
「でも、出会ってからのサソリはあたしの中では正しい事をしてきたと思うよ。そこは保証する!」
佐天の力のこもった物言いにサソリは反応に困ったように目を閉じた。
「なんか成長したなお前。あの時よりもずっと」
「せ、成長!?そんな事ないよ!初春に泣き言言っちゃったし」
「ありがとうな」
いっその事罵ってくれた方がどんなに楽だったろうか
拒絶してくれた方がどんなに対処し易かっただろうか
「あたしも御坂さんも白井さんも湾内さんも......みんなサソリに助けられたからね。今度はあたし達がサソリを助けたい」
「いや......」
充分だった
受け入れてくれた事が嬉しかった
佐天達に合わなかったらこんな気持ちなんて永久に無かっただろう
サソリは寝返りを打つように佐天に背中を向けて寝始めた。
オレは幸せにする事は出来ない
だが、佐天達に危害を加える奴がいるなら全て敵と見なして攻撃するしかない
戦闘と人形しか知らないサソリに出来る最低限の恩返し
「お前らがオレを助ける?無理を言うな」
「出来るよー!能力に目覚めたし」
「あんな生兵法な能力でか......まあ期待しねぇよ」
「もー」
茶化すように言ったサソリだが目付き真剣だった。
当面の目的は『ゼツの企みを止める』事だ......命に代えても......
寝息を立てて眠り始めたサソリの横顔を見ながら、佐天は軽く頬にキスをした。
少しだけなら良いよね......
サソリの布団に潜り込み、サソリの上になった腕にそっと頭を乗せた。
「サソリ......あたしはサソリに逢えて嬉しいよ。お願い......どこにも行かないで」
闇が深まる夜の学園都市。
最後の時は刻一刻と静かに迫っていた。
******
派閥
生徒が自主的に作る同じ目的を持つ者同士の集まり、同系統の能力の研究会だったり人脈形成のサロンだったりと様々な目的で作られている
特に大きいものは学内に留まらず社会に影響を及ぼす事もあり得る。
長いようで短い夏休みが終わり新学期がスタートした常盤台中学で湾内と泡浮が頼まれた資料を職員室に運ぶ為に廊下を並んで歩いていた。
湾内はファイルを9冊、泡浮はダンボール2箱を持ち上げて危ない手付きで震えている。
「重い......ですわね」
「そう......ですわね。新学期ですの......で」
窓枠の少し出っ張
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