暁 〜小説投稿サイト〜
霊群の杜
姑獲鳥
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使して作らせようかねぇ、パフェの山を」
「クフ王かよ」
動物保護団体にボッコボコにされるぞお前。
「冗談だ」
「信用しねぇよ。麒麟の前科があるだろうが」
幻獣だったから土下座で済んだが、牧場主相手じゃ俺の手には負えない。
「…小梅が来るなら、何故先に云わないかねぇ」
待ち合わせ場所で小梅を見かけた瞬間、奴はつむじ風の如く病室に取って返して、いつものシャツに着替えて蓬髪に櫛を通して現れた。
「…来たから何だよ、小さい子相手に。きもいよお前」
「馬鹿め。女は幼い程、残酷なものだ。この位の子だと、病気だろうが何だろうが、少し臭かったり汚かったりするともう寄り付いてくれなくなるんだよねぇ」
俺はお前よりずっと永いこと幼女を見てきた経験則で知っている、などと更にきもい事を呟きながら、奴は紅茶を啜った。小梅はパフェ山探検…というかパフェ自体に飽きたのか、スプーンでひと匙掬っては、はい、あーん、などと明後日の方向に手を伸ばして食べさせる振りをしている。あーあ、こぼすからやめな、と声をかけようとすると、意外にも奉が動いた。奉は小梅の手をそっと止めると、少し笑った。


「…その子達は食べられないんだ」


―――っちょ、
「そうなの。…ここは、ちいさいこが、いっぱいいるのね」
―――やめろってば。
「そう。おっぱいを呑む前に、天使になっちゃった子たちなんだ」
―――やめろよ、前後左右の席がざわつき始めてるよ。
「ふぅん。ねぇ、この子たちって、どうして」



―――おへそから、ながいのがでているの?



「おー!何だよお前ら、ここの病院だったのか!?」
小梅の声にかぶさるように、聞き慣れた野太い声が響いた。
「た、助かった」
宅配の制服に身を包んだ鴫崎が、勢いよくテーブルの中央に手をついた。小梅が目を輝かせて鴫崎を見上げる。
「ヒコーキのお兄ちゃんだ!!」
小梅は鴫崎にとても懐いている。うちに遊びに来た時に、高校時代は入り浸り気味だった鴫崎と鉢合わせる事が案外多く、その度に『飛行機』とか『ぐるぐる回し』とか『逆さ吊り』とか体力を使う遊びをしてもらえたからだろう。ちなみに体力のない奉は鴫崎の半分も持ち上げられない。
「ねーねー、ヒコーキ!ヒコーキぃ!!」
「ははは今度な。ここ病院だぞ?病気の人いっぱいだぞ?」
流木のような腕でわしわしと小梅の頭を撫でる鴫崎を、実に恨めしげに眺める奉。その視線に気づいたのか、奴は優越感をちらりと覗かせて奉を見下ろす。
「…おぅ、大変だったようだな玉群。そのまま死んだら良かったのに」
実際に死にかけたのだが、鴫崎は相変わらず奉には手厳しい。それにしても助かった。鴫崎の体育会系の雰囲気が、奉のいかがわしさを丁度良く中和してくれた。
「お前もなに野郎の見舞いに花とか持っ
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