御使いのいる家 ぱ〜と5
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説明される手作り感満載の結晶怪獣エル・ミレニウムくん(138.7m)。確かにゴジラみたいになっとる。流石に怪獣になりたいという奇天烈な夢は持っていないのでなんとかテンプティを懐柔したいところだ。
「別の方法でお願いします」
「怨嗟の魔蠍印のナノマシンポイズンいっとく?」
「よく分からんがそれ絶対飲んだら死ぬだろ!」
「それがそうでもないんだなー♪このナノマシンは精神に干渉するから痛みを消すくらいは出来るよ!ただし前のスフィア・リアクターが超ネクラだったから変な副作用あるかもしんないけど!!」
「駄目だこりゃー!」
おのれ淫乱ピンクめ、碌なアイテムを持っていやがらねぇ。しょうがないから自然治癒するしかなさそうだ。俺は体を起こし、おとなしく卵粥を食べることにした。
の、だが。
「ちょ……サクリファイ姉の手がモロに邪魔!手ぇどけて!!」
「で、でも私は良かれと思ってあなたの為に冷えピタになりきっていたのですよ?どうしてそんな悲しいことを言うのですか……私には理解できません。善意が伝わらない……誰か太陽炉搭載機とイノベイダーを……」
「オーケー分かったそれなら横じゃなくて後ろから俺のおでこを冷やそうか!」
「こ、こうでしょうか?」
「わー目が超ひんやりするー……って目ぇ隠してどうすんだよ!!『だーれだっ♪』みたいなベタなことしてんじゃない!!」
「ぬふふ……仕方ない、前の見えないミツルに代わってテンプティがアーンして食べさせてあげる!ほら口開けて、アーン♪」
「誰がやるか誰が……アッツ!!ちょ、アツゥイ!!出来たてホカホカすぎて舌火傷するぅ!?」
やっぱり御使いに身の回りの事を任せると碌な事にならねぇ。
ちなみに余談だが、卵粥は超美味しかった。家事出来るんなら普段からやれよ……やれよッ!!
= =
ドクトリンは常に何かに怒っている。
その怒りは割と理不尽なものも多いのだが、時にはこんな面倒くさい人が役に立つこともある。
「へへっ、ピンポンダッシュは楽しいぜ!」
その日、近所に住む悪ガキはピンポンダッシュで近所に迷惑を振りまいていた。
ピンポンダッシュ――それは現代では減少傾向にある子供の悪戯の総称である。名前は地域によって若干のばらつきがあるが、「ピンポン」は家のインターホンを鳴らす音、「ダッシュ」は家主が出てくる前に走って逃げることを意味し、無意味に人を呼び出しては逃走して相手が玄関に出てきたときには誰もいない……という行為によって悪戯がばれるかどうかの狭間のスリルを楽しむことは全国共通である。
だが、やられたほうは迷惑千万。無駄な労力を強いられた挙句に玄関にたどり着いたころには誰もいないのだから腹立たしいものである。そして怒りの体現者たるハゲがこの事態を
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