御使いのいる家 ぱ〜と5
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決してこの本の内容を逸脱しないレベルに抑えるように』と手渡された本を読んだ限りでは他に出来ることはありません。力を持て余して哀しい……」
さっきまでのどや顔から急転直下でしょぼくれてるがいつものことだ。次元力まで持ち出して冷えピタにしかなれないこの人の駄目加減に驚嘆を禁じ得ない。
なお、当人が持っている本には『バアルでも分かる簡単な風邪の治療法 著:柏葉真紀 編:アドヴェント』と書いてある。柏葉真紀……いったい何者なんだ……。
と、部屋の扉が開いて割烹着姿のテンプティがお盆を抱えて入ってきた。
「はーい、お待たせー!御使い印の栄養満点卵粥とお水だよ〜♪」
割烹着を着た美少女の介抱……ふむ、中身がテンプティじゃなければものすごく嬉しいのだが、この際贅沢は言うまい。何も知らん奴から見たら美少女と美女に二人がかりで看病されてるわけだし。
諸悪の根源ことテンプティは流石に責任を感じたのか、今日は朝から病人食を作ったりとちゃんと働いている。
ちゃんと働いている。
……………。
いや、ちゃんと働くテンプティというのはもはやテンプティではないのではなかろうか。ふざけてだらけるのが存在意義のテンプティが真面目になったら、もうそれはテンプティではない。アイデンティティの崩壊したティティ(笑)、即ち別物だ。
俺は閃いた。熱があるのになんて冴えた頭脳なのだろう。
「そうか分かったぞ!テンプティ、お前さては顔そっくりな偽物だろ!お前が真面目に働くなんて冷静に考えたら絶対ある訳ないッ!!」
「ヒドッ!?テンプティだって暇な時は働いたりしてたんだよ!?激おこ連合で家事洗濯のお手伝いしてた時期もあるし、信頼と実績の家事スキル持ちだよ!?」
「嘘を言うなっ!!猜疑に歪んだ暗い瞳がせせら笑うわ!例え神に最低野郎と罵られたって俺は絶対に信じないからな!」
「……まー無理に信じてほしーとは言わないけどさ。取りあえず目の前にあるほっかほか卵粥を作ったのがテンプティなのは純然たる事実なわけですよ。いま家にはテンプティと残姉ちゃんとミツルしかいない訳だし」
「んあ?ハゲだけじゃなくてアドヴェントもいねーのか?」
「うん。看病するのに人は3人もいらないだろうから、だって」
「……看病はいいんだけどさぁ、本当に薬抜きで治さないと駄目なのか?」
ぶっちゃけ頭痛いのを誤魔化す鎮痛剤や解熱剤のどっちかくらいは使いたい程度に俺は熱が出ていてしんどい。薬で風邪は治らないが、この苦しみを誤魔化すことは出来るわけで、俺はそれを求めているのである。
「そもそも次元力で病気治せんのか?」
「無理じゃないけどぉ。力加減間違えてうっかりディメンションエナジークリスタルに浸食されてゴジラみたいになっちゃうかもよ?」
図解で
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