俺の四畳半で美少女が眠っている件
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」
駄目だ無理だ普通に喋れん!!
「ぷっ、なにテンパってんの。うち、合鍵もってるし」
っえ―――!!お前なに、母さんから鍵までせしめて来たの!?俺居なくても自由に出入りする気だったの?
「―――お前ら女子中学生ってさ…おっさんにプライベートという概念があるなんて微塵も思ってなくない?」
「あんの!?」
「なにそれビックリ要素!?」
まじで酷ぇぞこいつ。親としては、相手の気持ちを想像させて軽くたしなめないと。
「…お前さ、もし俺がお前の部屋に勝手に出入りしたら」
「殺す…かな?」
「……あぁ」
―――あれ?思ってたより重いやつがスラッと来たぞ?
「……殺しちゃう?」
「あぁ、うん。普通に」
「もうワンクッション、ないかな?普通」
「いや普通殺すっしょ」
娘は小さい鞄をガサガサさせて、銀色の鍵を取り出した。
「あー暑い。入ろ」
「ばっ、ちょ、待て」
俺は電光石火の反復横跳びで娘とドアの間に滑り込んだ。
「機敏かよ」
「いやいやその…お前、昼飯は食った?」
『娘を食い物で釣って時間を稼ぎ、目覚めた美少女が自分の間違いに気が付いて勝手に出ていく』、どうやらもう手段はこれしか残っていない。
「何故、それを今言う?もう夕方なんだけど」
「間違ったそうじゃなくて…そうだ、おやつは食ったのか?宇治金時の旨い店を知っているぞ」
「パパが転勤になって何度、ここに来ていると思ってんのかな。今やこの界隈のスイーツ事情に関しては、私の方が知識が上」
「……っく」
「当然、さっき食べて来た。食べログで評判の良い店で」
「わっ若いんだからもう一杯くらいイケんだろ!?ちょっと付き合えよ!!」
「もう食えないでぶ」
「そんなに食ったの!?」
「3軒ハシゴした。一刻も早くゴロ寝したいでぶ」
いちいち語尾にデブつけんじゃねぇよイラつくわ!!そんなんだから彼氏出来ねぇんだよ!!
「だからどいてー」
「ちょっ!わあああお前!ほんっとに!!」
…やむなし。許せ娘。俺とお前の平穏な日常を守るため、俺は鬼となる。この奥義を使うのはお前で二人目だ。ちなみに一人目は俺のお袋、すなわちお前の祖母だ。
最終奥義『意味不明の主張で何が何でも部屋に入れない玄武の構え』だ!…くくく、これで一月は口をきいてもらえまい…。
俺はすっと肩を落とし、ゆっくりと半身に構えた。
「この扉を通りたくば…この俺の屍を越えていくがいい!!!」
「………はい?」
「―――なに騒いでんの?」
背後のドアが徐に開き、俺の心臓は他の内臓を引き連れてぐりん、とせり上がった。
「おぅふっ」
「あーね、なんかパパがさぁ」
―――ん??
「…あ、勝手にお邪魔してます」
寝起きの美少女は、ぼんやりした声で早口に云うと、ぺこり
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