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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
783部分:第百二十話 射る者その五
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第百二十話 射る者その五

 そうしてである。彼はまた話した。
「矢を放つのは別の場所だ」
「人でも神でもなくか」
「若き戦士達を先に行かせる為に使うものだ」
 その弓矢のことも話したのである。
「その為のものだ」
「あの壁か」
 ここまで聞いてだった。デイモスも気付いたのだった。
「そうだな。あの壁だな」
「如何にも」
 アイオロスはまた言葉を返してみせた、
「その通りだ。あの壁の為にあるものだ」
「あの壁はそう容易に突き破れはしない」
 明らかに知っている言葉だった。デイモスはあえてそれを言ってみせるのである。そうしてそのうえでアイオロスの話も聞くのであった。
「貴様等全てが揃いその力を、いや」
「そうだ」
「命まで賭けてな。そうしなければな」
「その時にこそ使うもの」
 毅然として言うアイオロスだった。
「私はこの生ではその為に生きているのだ」
「死ぬ為にか」
「身体は必ず滅びる」
「その通りだ。肉体は魂とは違う」
「しかし魂は永遠だ」
 話が元に戻っていた。それもあえてであった。
 そうしてだ。アイオロスはその言葉を続けてみせた。
「だからこそだ。この生ではだ」
「あえてか」
「それもまた運命」
 受け入れていた。明らかにだ。
「どうということはない」
「貴様等にとっては永遠の戦いもまた当然のことか」
「その通りだ。だからこそ死ぬのもまた当然のこと」
 言葉を繰り返してみせてきていた。
「だからだ」
「人にしておくのは勿体ないな」
 アイオロスの言葉をここまで聞いてである。デイモスは今度はこう言ってみせたのである。その言葉は厳かなものさえ含まれていっていた。
 そしてだ。アイオロスを見ながらまた告げた。彼自身にだ。
「神であらばだ」
「神であればか」
「貴様等黄金聖闘士が全て神であらばな」
「どうだというのだ」
「オリンポスの神々よりも上であっただろう」
 言葉には嘆息はない。しかしそれが含まれていた。
「間違いなくな」
「あの神々よりもか」
「あの神々の心は人のものだ」
 デイモスの顔が歪んだ。忌々しげにだ。
「人のだ」
「私も人だが」
「しかし貴様は高潔だ。貴様等がだ」
「高潔だというのか」
「そうだ、高潔だ」
 また言ってみせたのである。
「そこが違うのだ。神々とはだ」
「オリンポスの神々をそこまで憎んでいるか」
「憎むのも当然だ」
 それを否定しなかった。それどころかその炎をさらに高めさせている。そのうえでまた言うのだった。彼はその目に今は過去を見ていた。
 そのうえで語る言葉にも憎悪を宿らせている。そうしてであった。
「あの者達こそは。我等、そしてアーレスのだ」
「貴様達も苦しんできたのだな」
「あの時のことは決
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