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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
782部分:第百二十話 射る者その四

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第百二十話 射る者その四

「私が生きて。戦っている限りはだ」
「生きている限りか」
「私は決して倒れはしない」
 アイオロスの言葉がさらに強いものになっていた。
「何があろうともだ」
「そして言い戦うか」
「そういうことだ。ではデイモスよ」
「うむ」
「今は武具は持っていない」
 アイオロスはこのことも告げてみせた。黄金の翼を生やした聖衣がそこにあるだけだ。その手にあるものは何もない。心だけである。
 その心を持ってだ。彼は言うのだった。
「何もだ」
「それがあの時とは違うな」
「私は拳だけだ」
 まさにそれだけだというのである。
「それだけだ」
「それで私を倒すというのだな」
「聖闘士本来の力でだ」
「あの時も本来の力だったのではないのか」
「何っ!?」
「ライブラの武具もまた聖闘士の力ではないのか」
 こう問い返すのである。
「それは。貴様達の力ではないのか」
「そうなのか」
「自分ではそう思っていないのだな」
「私の力は私が持っているこの力だけだ」
 それだけなのだというのだ。
「それだけだ」
「だからこそライブラの武具は貴様の力ではないのか」
「そう考えている」
「では聞こう」
 デイモスはアイオロスに対してまた問うてみせた。
「いいか」
「何をだ」
「貴様はサジタリアスの聖闘士だ」
 問うのはこのことだった。
「そうだな」
「それがどうかしたのか」
「弓矢を持っているな」
 問いが具体的なものになった。
「そうだな」
「如何にも」
 アイオロスもそのことは否定しない。
「確かに持っている」
「それは使わないというのか」
 デイモスはさらに問うたのだった。
「弓矢はだ」
「使うことはない」
 自身でだった。言い切ってみせたのである。
「決してだ」
「決してか」
「戦いの時に使うことはない」
 アイオロスはまた述べてみせた。
「決してな。それはない」
「ないか」
「そしてだ」
 さらに言う彼だった。
「私が戦闘で使うのはこの拳だけだ」
「そして脚だな」
「身体しか使うことはない。決してだ」
 また言ってみせる。嘘を言っている目ではなかった。

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