第七章
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「ひょっとして」
「そうじゃないの?」
「そうかもな、顔も可愛いしな」
「何、浮気?」
「浮気ってあの娘小学生だろ」
「それでも可愛いでしょ」
「可愛くても小学生だしな」
それにというのだった、二人共綿菓子は手にしているがまだ食べてはいない。手に持ったままである。
「俺浮気なんかしないよ」
「本当に?」
「そうだよ、それは言うからな」
「だったらいいけれど」
「というか浮気なんかしたらな」
それこそというのだ。
「俺御前の親父さんに殺されるだろ」
「お父さんそういうの嫌いだしね」
「そうだろ?折角公認貰ったしな」
ひかるの父からだ、他ならぬ。
「だからな」
「ここで浮気したら」
「そうなるからな、それにだよ」
「そもそも明自体が」
「そうだよ、絶対にしないよ」
「その言葉信じていいわね」
「というか御前こそ浮気するなよ」
明の方からも言った。
「頼むな、それ」
「私もそんなことしたらお父さんに殺されるわよ」
ひかるにしてもいうのだ。
「それこそね」
「お互いか」
「そう、お互いだから」
「そんなことしないか」
「そうよ、まあそんな話は止めて」
「折角の正月だし時間出来たしな」
「あんたのお家今日忙しいわよね」
ふとだ、ひかるは明の家のことにも言及した。彼の家がコンビニをやっていることをだ。
「お正月は」
「ああ、やっぱりな」
明自身もこう言う。
「他にあまりお店開いてないしな」
「それでもお休み貰ったから」
「遊んで来いって言われてな」
「それじゃあ今日は」
「ああ、遊ぼうな」
「二人でね」
こう話してだ、二人でだった。
遊んでいく、そしてまずは綿菓子を食べるのだった。その二人のすぐ隣にお化け屋敷があるが愛美梨は泣きそうな目になっていた、知子と他に四人の友人達と共にお化け屋敷を出てだった。
その目になってだ、こう言ったのだった。
「怖かった・・・・・・」
「うん、そうよね」
「ちょっと以上にね」
「このお化け屋敷怖かったわ」
「本当にね」
「とりあえず泣かなかったけれど」
愛美梨はその泣きそうな顔で言った。
「けれど」
「いや、愛美梨ちゃん泣きそうだから」
「ちょっとね」
「それはね」
「けれど泣かへんから」
まだ言う愛美梨だった。
「何とか」
「はい、これ」
その愛美梨にだ、知子はそっとだった。
キャンデーを出してだ、笑顔で言った。
「これ食べて」
「飴?」
「うん、お母さんに貰ったの」
丸い袋に詰まったキャンデーを差し出しつつ言ったのだった。
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