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Three Roses
第二十七話 戦いのはじまりその六

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「やがてはな」
「帝国に戻られ」
「そして、ですね」
「皇帝に即位されないとならないですね」
「時が来れば」
「父上に何かあればだ」
 皇帝である彼にというのだ。
「まさにな」
「すぐにですね」
「本国に戻られ」
「即位されないとならないですね」
「幸い弟達も妹達も野心はない」
 皇帝の座へのだ、ロートリンゲン家ではこれまでこれといって皇位を争う揉めごとが起こったことはない。このこともまたこの家が栄えてきた理由の一つだ。家訓に家の中で争うべからずとあることが大きい。
「しかも既にそれぞれの領地に赴いている」
「何かがあるとはですね」
「考えにくいですね」
「少なくとも帝室の中では」
「そうしたことは」
「そうだ、このことは有り難い」
 太子にとってもというのだ。
「実にな」
「だからですね」
「このことを神に感謝し」
「それと共に」
「その時には戻る」
 また言ったのだった。
「いいな」
「はい」
「それではその時は」
「即位される」
「ではそれまでにですね」
「この国を」
「ロートリンゲン家のものにだ」
 太子が皇帝に即位し本国に戻るまでにというのだ。
「していよう」
「打てる手を打っていき」
「そしてですね」
「この国をですね」
「完全にロートリンゲン家のものにしていきますか」
「卿等もだ」
 側近達にも言うのだった。
「何人かはこの国に残ってもらうことになるだろうが」
「はい、その時はですね」
「引き続きこの国に残り」
「そのうえで、ですね」
「この国を動かしていくことになりますね」
「私と妃の間の子を助けることだ」
 是非にというのだ。
「いいな」
「はい、その時は」
「是非共です」
「この国に残らせて頂きます」
「そのうえでこの国を」
「頼む、ただこの国の諸侯達だが」
 この場合は周辺の三国も含めた四国全てのことだ。
「やはり彼等にもな」
「婚姻政策をですね」
「それを進めていきますか」
「そのうえで我等の中に組み込んでいく」
「そうしていきますか」
「そうだ、諸侯達もだ」
 王家だけでなく彼等もというのだ。
「卿等、そしてだ」
「帝国の諸侯とですね」
「縁組を組んでいき」
「取り込んでいきますね」
「こうしたことは全てを取り込んでこそだ」
 これもまたロートリンゲン家のやり方でありやってきたことだ、彼等は自国の領地としてきた国の諸侯もそうして取り込んできたのだ。
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