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とある3人のデート・ア・ライブ
第十章 仮想世界
第9話 新たなデート
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見に付き合うって決めたわけだし、仕方ないか」

琴里の言ってることは正しい。或守も多くは語らなかったが、恐らくそのような目的だろう。

色々気になることはあったが、一番気になったのは。

士道「えっと……この朝ご飯、鞠亜が作ったのか?」

或守「はい。作り方に問題がありましたか?」

士道「いや、作り方見てないから何とも言えないけど……」

或守「そうでしたね。それでは朝食にしましょう」

なんだろう。前の文と後の文が噛み合ってない気がする。

それを指摘しようと思ったが、士道は国語が特別得意というわけではないしそれより腹が減っていたので、何も言わず席についた。

それにつられるように上条、佐天、琴里、一方通行の四人も席に着いた。

或守「どうぞ」

と、或守は慣れた手つきで自分が作った朝ご飯をテーブルの上に置いた。その手さばきはまるでテレビや映画で出てくるメイドのようだった。

食パンに卵焼きにカラフルに盛り付けられたサラダ。五河家が毎日朝に作っているものと全く同じだった。

いただきます、と口を揃えて五人は朝ご飯を口にする。

士道「……美味いな」

琴里「……確かに、美味しいわね」

上条「この卵焼きどうやって味付けしたんだ?俺の作る卵焼きより美味しいんだけど」

佐天「このドレッシングまさか手作りですか!?いつもと風味と味が違うような……」

一方「……」

一方通行は口には出していないが、顔をよく見ると少し驚いたような表情をしていた。皆それぞれ感想は違えど、全て好印象のものだった。

或守「データのものと少しアレンジを加えてみたのですが……どうでしょうか?」

少し不安げな声で士道達に問いかけた。或守は何か文句を言われると思っていたが、

士道「いや、とっても美味しいよ」

琴里「士道の料理の上位互換ってところかしら」

士道「お前なぁ……」

上条「後で上条さんにこの卵焼きの味付けの仕方を教えてください」

佐天「このドレッシングも!」

一方「……まァ、食えなくはねェな」

先ほどと同じく、感想は違えどとても好印象だった。



或守は、プログラミングされたことだけしか動けないただのデータだ。人間の真似事はできても人間になることはできない。

心をもたないはずなのに……。



或守はとっさに士道達に背を向けた。今の自分の顔を見られたくなかったからだ。

或守「どうして、私は笑っているのでしょうか……?」

脳内で制御できない何かが、或守の中を支配していた。



それが『嬉しい』という『感情』だと知るのは、まだ先のことだった。






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