第十章 仮想世界
第9話 新たなデート
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隠せないでいた。
それぞれが辺りを見回していた、その時だった。
上条「ッ!?何だ!?」
突然目の前が真っ白になったかと思うと、その光は徐々に和らいでいき、何とか目が開けられるまでに戻った。
そこには、"見覚えのない白髪の少女"が立っていた。
士道「君は……?」
士道が問うと、白髪の少女は変わらぬ表情のままで口を開いた。
或守「私はどうしても、知りたいことがあります」
よし、まずは会話キャッチボールから始めようか。
と、上条は思わず言いそうになったが何とかこらえた。
しかし士道は知っている。この少女に会うのが初めてではないことも、この少女が何を知りたいかさえも。
或守「五河士道。あなたと一緒なら答えを見つけられる。だからこそ、問います」
一拍おいて、士道を見据えた。
或守「あなたは……私を愛してくれますか?」
少し迷ったが、士道は強く頷いた。
或守「願わくば、これが最後になりますように……」
士道の言葉に、或守は祈るように目を閉じた。
一方「お前、やっぱり……」
ここまで一言も話さなかった一方通行が突然口を開いた。
しかしその刹那、テレビの電源を切るような勢いで三人の視界はブラックアウトした。
最後に一方通行が言いかけた言葉の先が、何となく分かった気がしたのは何故だろうか。
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外から小鳥のさえずりが聞こえる。
昨日のことは夢だったのでは?と思ってしまうほどいつも通りに起きてしまった。
そうだ、夢なんだ。
そりゃそうだ。仮想世界に入る?出られなくなる?愛を教えてほしい?
なんとも変な夢を見たもんだ。
そんなことを思いながら朝ご飯を作るために一階へと降りていった。
起きたときからする嫌な予感は、階段を降りてリビングへと続く扉を開けるまで、消えることはなかった。
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リビングへ続くドアを開けると、突然鼻をくすぐるようないい臭いが士道を覆った。
士道「……ん、誰か朝飯を作っているのか?」
最初は上条か佐天のどちらだろうと思っていた。
だが、その予想は大きく外れた。
琴里「……」
上条「……」
或守「……」
佐天「……あ、士道さん。おはようございます」
士道「……あ、あぁ……おはよう」
その嫌な予感は、的中した。
士道「えっと……なんでここに鞠亜が?」
或守「士道をなるべく近くで観察するためです」
士道「(あれ?俺のことは『五河士道』ってよんでたような……)」
琴里「士道を見張るってことね。ま、或守の目論
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