第十章 仮想世界
第9話 新たなデート
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そこはまるで、この世界の終点のような場所だった。
蒼く染められた洞窟のような場所に、中を渦巻くように円を描く水色模様。加えてその奥には緑色に光るこの世界の『核』のようなものが浮いていた。
もちろんそこには出口も入り口も存在しない。無にも永遠にもなり得る蒼い洞窟に、白髪の少女は一人浮遊していた。
或守「……私は、愛を見てきました。たくさんの、愛のカタチを」
この間にも世界は変わり続けている。突然デートに誘われたり、魔法少女が現れて世界を救う旅に出たり。
或守「夜刀神十香の愛、四糸乃の愛、時崎狂三の愛、五河琴里の愛、鳶一折紙の愛、八舞耶倶矢と夕弦の愛、誘宵美九の愛、佐天涙子の愛……そして、それぞれの未来まで」
言いながら、彼女達の未来を脳内で再生する。皆色々ありながらも最後には幸せそうに笑っていた。
或守「愛とは何なのか……それを理解する材料は揃ってきました」
少女は一度目を瞑り、頭の中にある膨大な情報を整理し出した。
或守「収集したデータを解析……結果は……解析失敗……」
表情は変わらず無表情だったが、声はどこか寂しげだった。
或守「再度実行……失敗……」
それは失敗した悔しさからか。それとも……。
或守「五河士道、上条当麻、一方通行……三人のそれぞれのデートを見てきました。情報は十分集まっているはずです。なのに何故……」
その時一人の少年の顔が頭を過ぎった。それは自分が愛を知るために助けを求めた少年であり、観察対象でもある……そう、『五河士道』という少年の……。
或守「あっ」
と、少女は訳が分からないクイズを出された時に突然閃いた時のような幼い子供のような素っ頓狂な声をあげた。
或守「……!これが勘というものでしょうか。……そうです。まだこんな簡単なことを、まだしていない。"わたし自身がデートを体験していない"」
この時、自分の中で何かがこみ上げてくるのが分かった。それが何なのかは、今の少女には理解できなかった。
或守「時より『五河士道』の顔が頭の中を過ぎる現象……その正体が『愛』だとするならば……きっと、何かが分かるはずです。」
そして、少女は決意する。
或守「もう一度始めましょう。今度はわたしとのデートを。愛を、知るために……」
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三人の主人公は不思議な感覚に囚われていた。
映画や漫画で見るような上下感覚のない、電脳世界とでもいうような感覚。
士道「ここは……」
上条「どこ、だ……?」
一方「……」
と、三人とも今の自分達の現状に驚きを
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