776部分:第百十九話 神に近い男その三
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第百十九話 神に近い男その三
「聴覚をです」
「神の聴覚を奪ったというのか」
「まずはそれです」
「そう来たか。だが」
「貴方は耳を使わずともその技を放つことができますね」
「そうだ、では次は何だ」
「これです」
次はだ。舌が動かなくなったのである。
「口か」
「口で話されることも止められましたか」
「今度は口だというのか」
「そうです。口です」
また言うのだった。
「所謂味覚です」
「それも奪ったか」
「そして次は」
シャカが今言うとだった。何も匂わなくなった。それでまたセブンセンシズを使った。それで臭覚を取ることに決定してみせたのである。そうしてみせてだ。
「これです」
「目か」
目が見えなくなった。ケーレスはまたセブンセンシズにした。
四つの感覚がなくなった。彼はその四つでは感じられなくなったのだ。
だがそれでもだ。彼は言うのだった。
「確かに感覚を奪われることは辛いものだ」
「その通りですね」
「しかしそれはセブンセンシズに目覚めていない者」
それだというのだ。
「神は既にセブンセンシズを手にしている。それでどうして感覚を奪われてどうなるのか」
「それですか」
「それでどうなるのか」
また言うのだった。
「私にはどうということはない」
「どうということはないか」
「そうだ、どうとでもない」
あくまで強気のケーレスだった。実際に彼は見えてもいるし聞こえてもいる。それは確かだった。
「現にこうして全て感じられているのだからな」
「話されてもいますし」
「では何故それをする」
あらためてシャカに問うのだった。ここでシャカはまた仕掛けた。
それで触覚もなくなった。それで技は消えたかというとだ。
まだ残っていた。そうしてだった。
「この通りだ。私はセブンセンシズで攻撃を出しているからだ」
「出しているからですか」
「そうだ、出している」
また言ってみせたのだ。
「こうしてだ。だが」
「だが?」
「貴様が何を考えているのかを知りたいものだ」
「私が何を、ですか」
「そうだ、何を考えている」
言いながら技の攻防を続けている。その中では誰もが同じだった。
そのうえでだ。また言うのであった。
「今度は最後の感覚も奪うか」
「はい思考を」
「奪うのなら奪うといい」
自分から言ってみせるのだった。
「好きなようにするのだ」
「それでどうにもならないというのですね」
「そうだ、何度も言うがだ」
「セブンセンシズがあるからこそ」
「セブンセンシズは誰にも消せはしないものだ」
ケーレスの自信はここにあるのだった。その消えないものにだ。
「誰であろうともな。それこそだ」
「貴方の命がなくなるまで」
「そうだ。
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