第一章 ハジマリ
第17話 世界の危機
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
天馬の身体はブルリと震え、全身に鳥肌が立つのを感じた。
不意に感じたソレが不快な冷風の様に自らを襲う。
“恐怖心”
天馬を突如として襲ったソレは、クロトに対するモノか……
それとも大切な仲間やサッカーを失うかも知れないと言うモノか……
分からない。
でも、ただ一つだけ、天馬にも分かる事があった。
『自分が何をすれば良いのか』が……
「ボクはそんなクロトを止める為、力を貸してくれる仲間を探す為、この【色彩の世界】に来た。この世界には今、危機が迫っている。天馬、フェイ。こんな事、急に言われても戸惑うと思うけど……ボクに、力を貸してくれないかな……」
「カオス達を倒したキミ達にしか頼めないんだ」と頭を下げるアステリ……
そんな彼の様子を見て、天馬とフェイは互いの顔を見合わせる。
二人の目に映った互いの瞳。それは困った様な表情でも、迷惑そうな表情でも無い。
強く、真っすぐな眼差しだ。
二人の気持ちは、すでに決まっていた。
「アステリ。顔を上げて」
フェイに促され、アステリは下げていた頭を上げて二人を見る。
アステリの表情は真っすぐな瞳をする二人とは反対に、心配そうな表情だった。
きっと、天馬とフェイから返ってくるであろう言葉に不安を抱いて居るのだろう。
そんな彼の心配と不安を打ち払う様に、天馬は笑って見せる。
「アステリ。俺達も大切なモノを……世界を守る為、一緒に戦いたい」
「えっ」
天馬の返答が意外だったのか、アステリは目を丸くして天馬を見つめた。
そんなアステリに笑顔を向けながら天馬は言葉を続ける
「だから、アステリに力を貸すよ!」
「ボクも。あんな話聞いて放ってなんておけないしね」
「…………本当に、良いの……?」
自分から頼んだくせに、アステリは真剣な表情で天馬とフェイに言った。
クロトの野望を止めると言う事は、自分達が今いるこの世界とは全く別の【モノクロ世界】に行かなくてはいけない。
それにクロトは今日戦ったカオスなんて非じゃない程の力を持っている。
自分の知る限り、クロトは自らの理想の為なら手段を選ばない……非道な奴だ。
そんな奴に逆らえば……天馬達、人間は殺されてしまうかも知れない。
……それでも本当に良いのか……
命をかけてまで、自分を信じて着いて来てくれるのか……
アステリは天馬とフェイに尋ねた。
それでも二人の答えは変わらなかった。
「大丈夫。覚悟は出来てるよ」
「あぁ。バッチリだよ」
「でも……っ」
「それにこのまま、ここでずっと何もしなさずにいたら……俺、きっと後悔すると思うんだ。だったら、少しでも前に進める道を歩みたい。それで結果的にどこかで倒れたとしても……きっと、何
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ