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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
64 食い違い
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かれている可能性もある。だがお前はまだディーラーの計画には必要不可欠、信頼もある。ディーラーの力を利用すれば、Valkyrieを潰すことは十分に可能だ』
「バカを言わないでくれ。僕は既に組織の幹部であるジャックとクインティアを攻撃して反旗を翻したも同然の状態なんだ。それに僕の力は……」

彩斗は自分の右目を隠す。
そもそも自分がディーラーに居られたのは、シンクロやマテリアライズ、そして肉眼で電磁波や赤外線を視認できる力が備わっていからだ。
その力もシンクロ以外失われた今、ディーラーに居続けられるとは考えられない。

『それでもディーラーはお前を受け入れる。お前の力は完全消えたわけじゃない。それにお前を処分すれば、スターダストの力は次に誰の手へと移るかは分からない』
「どういうこと……」
『お前を手にした者がスターダストの力を手にしたも同然だ。嫌でもディーラーはお前を受け入れざるを得ない』
「……仮に僕を受け入れたとしても…そうか、君たちも知ってるんだな。僕の身体のことを……」
『……』
「最初から知っていて……利用するつもりでスターダストを」
『スターダストがお前を選んだのは偶然だ。だが確かにお前の身体のことは把握していた。そしてお前の能力と頭脳を失うのは惜しい。だからお前を導くことを決断した』
「導く?」
『そうだ。その為にValkyrieの次はディーラーを潰せ』

「!?」

彩斗は思わず左手に抱えた書籍の袋を落とした。
耳を疑った。
確かにディーラーは誰が見ようと極悪非道の犯罪組織だ。
しかも表向きには恵まれない子供たちを支援する団体として振る舞っている以上、更にたちが悪い。
壊滅させるのが正しいし、壊滅させるべきものであるのは間違いない。
だが彩斗やメリーにとっては自分たちの居場所だ。
常人が持ち得ない力、それも使い方によっては人を傷つける道具にもなり得る力を持ったある意味、人間兵器である自分たちを理由はどうあれ、育ててくれた親だ。
常に感情を殺してでも合理的な判断を下す彩斗ですらも、安々と頷けない。
言葉に詰まる彩斗に電話の主は続ける。

『お前の命は遠からず燃え尽きる。ディーラーに居ても最終的に計画が終了すればお前は用済みになる。それまではお前を飼い殺す為にあえて治療をすることはないだろう』
「……」
『お前が生き残る手段は1つ、ディーラーを壊滅させて、自由の身になった上で治療を受けることだ』

確かに彼らの言い分は正しいように聞こえる。
ディーラーのような犯罪組織は組織の外の人間が攻めても、そう簡単には潰せない。
だが内部にいる人間なら話は別だ。
その為に彼らはディーラーで特異なポジションにいる彩斗を鍛えた。
自分の身体の障害も今の医学ならば、治療することも困難ではあるが
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