1部
もうちょっとで始まりそうな章
俺は全知全能.4
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1限目に間に合ったはいいが、授業が分からない。先生の話が聞こえなくなってきたため、外を見る。
あぁ、空って壮大だなぁ、と柄にもないことを考える。
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チャイムが聞こえる。重い体を起こすと、周りの同級生たちは弁当やら袋パンやらを食べていた。集団早弁なんてことはあるはずないのできっと昼休みになったんだろう。というかそもそも俺はそこまで寝ていたのかと我ながら驚く。まあ、一人寂しく机に居ても何も出ないので、屋上に向かう。
この時期は屋上に居てもただただ寒いだけで寒いため休み時間に屋上に来る生徒などいない。故に屋上は俺の特等席になる。しかし、屋上は昨日の大雨で水たまりがたくさんある。仕方がないので屋上のフェンスに寄り掛かって母特製の豆腐ハンバーグ入りハンバーガーを食べる。
明らかにボッチの絵面だが、生憎俺はボッチではない。只、今日はたった一人同じ学校に進学した、小学校からの親友が休んでしまっただけなのだ。だからボッチではない。
ハンバーガーを食べ終わって校舎の中に入った途端、誰かに呼ばれた。
「おい、榮倉。」
中村だ。今度はなんだ。
「はい、中村先生なんでしょうか。」
「おう、ずいぶん素直だな。」
ははっ。いつもは素直じゃないのか、俺。
「ところで、朝渡した資料お前何処やったんだ。」
は?あの資料なら会議室に置いたよな。まさか消えたなんてことはないだろうし、誰かに盗まれたとかか?
でも、あんな何でもない資料をわざわざ盗む奴なんていないだろう。というか・・・
「今更かよ。」
あっやべつい声に・・・
「なんだ今更とは。ほんとにお前、あの資料何処やったんだ。」
「ちゃんと会議室に置きましたよ。」
「ほんとにか。」
「ほんとですよ。何でこんな所で嘘吐かないといけないんですか。」
「ま、確かにそうだな。じゃあな。」
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