775部分:第百十九話 神に近い男その二
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第百十九話 神に近い男その二
「それをお見せしましょう」
「いいだろう。ではだ」
ケーレスは今度は構えなかった。そのうえでの言葉だった。
「私の技は今度はだ」
「構えられないのですか」
「そうした技だ」
ケーレスはこう言った。
「この技はだ」
「成程、面白そうな技ですね」
「確かに構えはしない」
また言ってみせたのである。
「だが」
「だが?」
「それでもこの技は私の全てを賭けるもの」
こう言い切るのである。
「そう、この技は」
「!?何だ!?」
ケーレスがシャカの今の小宇宙を感じてだ。驚きを隠せなかった。
「これまで以上の凄まじい小宇宙は」
「そう、この技こそが」
そしてだ。また両手をあの間隔を開けて合わせた形にしてだ。名を言うのだった。
「天舞宝輪」
「天舞宝輪だと」
「この名前は聞かれたことはありませんね」
「名前を聞いたことはない」
ケーレスですらだ。それはなかった。
しかしだ。その中で彼はまた言うのだった。
「しかしだ。はじめて感じたことはある」
「この小宇宙ですか」
「これだけの小宇宙、まさか」
「感じられたことはありませんか」
「アーレス様のものとはまた違う」
ここでもアーレスの名前は出すのだった。
「また違う種類の強大な小宇宙だな」
「そしてです」
「そしてか」
「はい、そしてです」
こう言ってである。そのうえでだ。
凄まじい小宇宙の湧き起こる中でだ。ケーレスを何かが襲おうとした。
だが彼はそれより前にだ。己の技を放ったのである。
「させん!」
「むっ!?」
「貴様は技を出した」
まずはそれを言うのだった。
「では私もまた技を出そう」
「貴方のその技をですか」
「そうだ、この技をだ」
こう言ってであった。出す技はだ。
彼もまた小宇宙を出してだ。その技を放ったのである。
「トラキアクライシス!」
「トラキアクライシス!」
「私はアーレス様の戦士!」
このことは何度言おうともであった。変わることも訂正することもないものだった。
「トラキアを護る者だ。その私こそがトラキアを救う者」
「だからこそその名前の技ですか」
「さあ、バルゴよ」
その右手から凄まじい、全てを切り裂き押し潰す様な波動を放ちながらの言葉だった。
「この技で貴様を倒す」
「では私もまた」
「ではどうする」
また言うのであった。
「どうして私を倒すのだ」
「この技はありとあらゆるものを私の意のままにするものです」
「全てをだというのか」
「そう、それは相手の六感全てもです」
「面白いことを言う」
その言葉を聞いてもだ。動じないケーレスだった。
そしてだ。そのうえで言ってみせたのである。
「ではその技
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