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Fate/Godhood Trickster〜神格の道化師〜
プロローグ〜神格の道化師〜
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のか、老人は珍しくロキの目の前で笑顔を見せた。


「ねぇおじいちゃん、このサーヴァントはおじいちゃんがマスターなの?」

「いいや。当初の予定通り、今日私が召喚したサーヴァントのマスターはお前だ」

「やったぁ〜!じゃあ、道化師(トリックスター)ロキ、今日から貴方は私のサーヴァントになってね♪」


「……はぁ?」


 突然の出来事に対して、ロキは驚きの余り口が半開きになった。
ロキの表情を見た新マスター……イリヤが大笑いしているが、今の彼はそんなものに構っている余裕は無い。何故なら、彼がサーヴァントになってから史上初の出来事が目の前で起きたからだ。


「もう、『はぁ』じゃなくて『はい』でしょ?ちゃんと返事してよ!」

「あっ、はいやいやいやいやいや!?どういう事だよジジ……元マスター!」


 ロキは珍しく真剣に元マスターに尋ねた。
途中暴言になりかけたがそんな事はない、これが彼なりの真面目な質問の仕方である。もし暴言になっていたのなら、きっと突然の事に気が動転していたのだろう。


「言った通りだ。イリヤは今日から私の代わり、つまり代理マスターだ。」


「……聞いてないんですけども」
「今言ったからな、それじゃあ私は自室に戻るとする。何かあったら呼んでくれイリヤ」

「は〜い!」


 イリヤの返事を聞いた老人は【セラ】の元へと近づくと、突然小声で会話を始めた。
その会話はロキが耳打ちをする一分前に終わると、老人は部屋から退出し、何処かへと移動していった。


「……あのジジイ、何をひそひそしてやがったんだ……」(小声)

「ジジイじゃなくて、おじいちゃんだよ〜」
「ああ……そうだね……」


 ……もう、どうでもいいや。
新マスター登場という予想外の出来事に対し、ロキが思考を止めた瞬間である。……しかし、その思考はすぐに動き始めた。何故なら、突然イリヤが腕に抱きついてきたからだ。


「……突然どうした?」

「ロキって暖かいね〜ますます気に入っちゃったよ♪」

「ああ、うん、そうかい」


「さてと、じゃあ改めて……道化師(トリックスター)ロキ、今日から私のサーヴァントになってね」


 え〜返事しなきゃ駄目〜?
ロキは涙目(嘘)でそう訴えながら泣き寝入りを狙った。しかし、イリヤはその光景を眺めながらうんともすんとも言わない。ただただ頬を風船の様に膨らませながら彼の返事を待っているだけで、嘘泣き寝入り作戦(命名)は失敗に終わった。


「早く返事してよ〜は〜や〜く〜!」

「はいはい、分かりましたよ。……この道化師(トリックスター)ロキ、どんな手を使ってでもマスターに聖杯を届けてあげるよ」


 ……ま
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