第九幕その六
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そして街の真ん中に左右非対称であちこち曲がっている漆黒の宮殿がありますが。
その宮殿、家々も一緒に見てです。ナターシャは言いました。
「何か大樹みたい」
「それを模した造りなの」
トロットが答えました。
「闇エルフの宮殿やお家はね」
「そうなんですか」
「闇エルフの人達も元々は森に住んでいたからね」
「それで、ですか」
「その名残なの」
「そうですか」
「闇エルフの人達も最初は森に暮らしていた普通の森エルフの人達だったの」
そうだったというのです。
「けれどね」
「地下に移住したんですか」
「他の場所に住みたいって思って」
「森に満足しないで、ですか」
「満足していたけれど他に面白い場所はないかって思ってね」
トロットはナターシャ達に闇エルフの人達が闇エルフになったその事情をお話していきます。それがどういったものかとです。
「海エルフの人達もそうだけれど」
「そう思って移住したんですね」
「そうなの、地下にね」
「それで闇エルフになったんですか」
「肌や髪の色も変わったの」
「地下に移住してから」
「そうなったの、それで今はね」
その街を見回しながらの言葉でした。
「ここで楽しく住んでいるのよ」
「そうですか」
「ええ、住んでいる場所は違ってるけれど」
「エルフなんですね」
「違うのは外見だけでね」
他のエルフの人達とはです。
「性格は同じよ」
「エルフはいい人達っていいますけれど」
「闇エルフの人達もよ」
「そうですか」
「そこは安心してね」
「わかりました、そういえば」
ナターシャはその闇エルフの人達を見ました、漆黒の肌にさらりとした銀髪それに緑色の切れ長の目がとても奇麗です。
すらりとした長身を質素な服で覆っています、そして銀やエメラルドやサファイアで飾っていますが。
「やっぱり銀ね」
「そうだね、銀だね」
「ドワーフの人達は金でね」
「エルフの人達は銀だね」
ジョージと神宝、カルロスが応えます。
「お話通りね」
「エルフ族の人達は銀が好きなんだ」
「それでよく身に着けてるんだね」
「それと」
恵梨香も言います。
「エルフの人達はエメラルドやサファイアが好きなのね」
「あっ、そうね」
ナターシャも言われて気付きました。
「そういえば」
「そうよね、ドワーフの人達はルビーやオパールで」
「この人達はそちらなのね」
「宝石の好みも違うのね」
「ええ、そうよ」
「宝石の好みも違うのよ」
ガラスの猫とエリカもナターシャにお話します。
「エルフ族とドワーフ族はね」
「そこも違うのよ」
「そうなのね、何か」
ここでナターシャが言うことはといいますと。
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