770部分:第百十八話 閉じられている目その三
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第百十八話 閉じられている目その三
「私のこの純粋な力を使わせて頂きます」
「貴様のその全ての力」
「引き出すというのですね」
「如何にも。そのうえで倒す」
また言ったのだった。
「いいな、それは」
「いいでしょう、それでは私もまた」
オームにより小宇宙を高めながらだ。その背に紅蓮の炎を出してきたのだ。
そしてだ。その炎でケーレスを襲うのだった。
「カーン」
「炎か」
「そう、全てを焼き尽くす不動明王の炎」
それだというのだ。
「これは如何ですか」
「前にも見たが見事な炎だ」
それを見ても動じていないケーレスだった。
「確かにな」
「見事ですか」
「他の者ならばその技で終わりだな」
ケーレスは迫るその炎を冷静に見据えている。身動き一つしない。
「しかしだ」
「しかし?」
「私には通用しない」
こう言うのである。
「全くな」
「通じませんか」
「そうだ。見るのだ」
ケーレスが今言った。するとだった。
その不動明王の紅蓮の炎に包まれた。しかしであった。
彼は全く傷ついてはいなかった。どれだけの炎に包まれてもである。火傷なぞは何一つとしてなかった。まさに怪我一つなくその場に立っていたのだ。
「この通りだ」
「その言葉に偽りなしですね」
「私は嘘は言いはしない」
炎は完全に消えた。しかしケーレスはその中で何一つ傷つくことなくそこに立ち続けていたのである。
何一つとして傷つかずそこに立ってだ。そのうえでの彼の言葉だった。
「それではだ」
「貴方の攻撃ですか」
「次は私が見せる番だな」
それだというのである。
「貴様がまだ技を見せるというのなら別だがな」
「いいでしょう」
シャカは今は動こうとはしなかった。
「それではです」
「攻めぬというのだな」
「そうです。見せてもらいましょう」
また言うシャカだった。
「貴方のその技を」
「そのうえで貴様を倒す」
身動き一つしていないがそれでも小宇宙はさらに高まっていた。そうしてだ。
構えに入った。そうしてであった。
「このケーレスの最大の技でだ」
「遂に出されるのですね」
「あの時は見せていなかったな」
先の聖戦の話もするのだった。アテナとアーレスが戦ったあの聖戦だ。
「全くな」
「あの時から持っておられたのですね」
「持ってはいた」
それはだというのだ。
「しかしだ」
「見せる機会はなかった。そうなのですね」
「残念なことにだ。それが悔やまれる」
「成程。そして今だというのですね」
「そうだ。今それを見せよう」
構えは独特のものだった。右手を高々と掲げ左手を前に出している。そうしてだ。
今技を放った。その技の名前は。
「ロイヤルデモンクラウド!」
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