インターバル
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同時刻。世紀末世界、サン・ミゲル。
―――ガシャン!!
「わぁっと!? なにいきなり資材落としてんねん、危ないなぁ」
「…………あ……ああ……!」
「へ? ど、どないしたんやシャロン!? なんで急に泣いとるん!? もしや今のでどっか怪我したんか!?」
「ち、違う……。そうじゃないけど……痛いんだ……! 急に胸が痛くなって……熱くなって……! なんでなのかわからないのに……涙が止まらないんだ……!」
「そうなんか……今日の仕事はもうええからシャロンは宿屋で休んどき。コレ運び終わったらうちも終わりやし。それにめっちゃ泣いとんのに無理して働かれたら、こっちも気まずくなるわ」
「グスッ……! ありがと……そうする……」
ザジの気遣いを受け入れて宿屋へ戻るシャロン。その震える背中を見ながら、頬をかいてザジは急に彼女が泣いた理由を推測する。
「もしかしたら月下美人の能力が何か関係しとるんかな? あっちの世界にいる親しい人や大事な人に何かあったことが感覚的に伝わって、哀しみが溢れ出したとか……。魔女も魔女やけど、月下美人も月下美人で大概苦労する宿命やね」
マーニやサバタの件を思うと、月下美人になったらその力を求める第三者に狙われてばかりの人生を歩むことになっている、と気づいたザジは脱力混じりにため息をつき、何とも言えない表情を浮かべる。
「ほんま、異端の力を持っとると普通の生活がやけに遠くなるわ。しっかし……次元世界、無数の異なる世界が存在する時空かぁ。サバタもエレンもうちの知らない戦いをそこで繰り広げ、そして今度はジャンゴもあっちの世界に行って、それなりに経ってもうた。流石にここまで関わっとる以上、いつまでも対岸の火事じゃ済まへんし、少しは星読みで様子でも探っといた方がええな。それに……」
フッと影を見せる表情を浮かべたザジは、その心境を吐露する。
「ジャンゴがおらんせいで最近リタの機嫌が悪くて、買った太陽の果実が少し潰れていることも多いんよなぁ。せやからはよ帰ってきてもらわんと、近い内にキッド辺りが余計なことを言って…………。……あかん、ゾッとする想像してもうた。身近でスプラッターな事件は起こってほしゅうないな」
という訳で自分達の安全を守るためにも、ザジはそろそろアクションを起こそうと決断するのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
新暦67年9月24日、18時32分
「う……うん? ここは……」
気絶から目を覚ましたフェイトは見覚えのある天井が視界に入り、眼をこすりながらどこの天井だったかと記憶を思い返していた。
「……そうだ、フェンサリル支部にあてがわれた私の部屋の天井だよ。でもなんで私がここに?」
「あ、フェイトちゃん
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