贖罪-エクスピエイション-part4/学院の危機
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タバサ、キュルケは中をのぞき見る。メンヌヴィル以外の、人質を監視している兵たち…一見なんてことない、メンヌヴィルと同じ格好をした兵士の集団のように見える。
「…!」
コルベールが先に気づいた。あの兵士たちの首筋、腕、さらには顔…体のいずれかに、単にやけどを負ったものよりも酷く醜い肌が露出されていた。キュルケはそれを見て口を押さえる。
「なにあれ…気持ち悪いわ」
「ビーストの細胞が、あのぶよぶよした肌の部分に移植されているんだ。適当に集めたメイジの死体を事前に集めていたんだろうな」
「よく知っているな」
アニエスは、シュウが妙に知識を知っていることについて、どこか疑惑を混じらせたような言い方をする。しかしこいつは自分たちからすれば素性がまだはっきりしていないというのに、陛下からの信頼も置かれている男。疑惑だけで剣を振るう気はなかった。
「なんにせよ、人質にされた皆を助けないといけないってことね」
キュルケが杖を取り出して戦闘体制に入ろうとする。タバサも無言のまま杖を構える。
「もし奴が黒い巨人だとしても、変身する直前には隙がある。そこを突けば、いくら黒い巨人になれるあの男でもひとたまりも無いはずだ」
アニエスも、いつでも撃てるように、銃を構える。まだメンヌヴィルは自分たちという、人質から漏れた者がいることに気付いていない。そこが狙い目だ。
「よしたまえ。クロサキ君の言うことが事実なら、迂闊に手を出せば自滅する。ここは援軍を頼んだ方がいい」
「人質を取られている以上、何人兵がいようと同じだ」
手を出すべきでないというコルベールに、アニエスは言い返した。
「その通りですわ。何もしないで縮こまるよりはマシよ、先生」
軽蔑を隠さず、キュルケもアニエスに同意する。シュウもまた、彼女たちに続いて賛成した。
「先生、ここは俺も彼女たちに賛成だ。あの男は何をするかわからない。急いだ方がいい」
「だが…君たちの命が危ない。相手はプロだ。それも…」
ウルトラマンや王軍をこれまで苦しめてきた闇の巨人の変身者なのだ。返り討ちにされても全く不思議じゃない。
「危険は承知。でもやらないといけない」
「ミス・タバサ…君まで」
タバサからも賛成の声が出てきて、さすがにひるみ始めたコルベール。すかさず、シュウがコルベールに向けて言い放った。
「先生、あなたも本当はわかっているはずだ。このままではもっと最悪の事態があの男の手でもたらされてしまうんだぞ。あなたの大切な生徒たちが灰にされるのを黙って見ているつもりか?」
「そんなに死ぬのが怖いなら、ここで縮こまってなさいな。あたしたちだけで…」
キュルケには、これまでタバサと共に修羅場を潜り抜けた自信がある。今回だってきっとうまくいけるはずだと思っていた。故にどこまでも臆してるように見えるコルベールに向
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