贖罪-エクスピエイション-part4/学院の危機
[13/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。すぐにキュルケの前に立ち、エボルトラスターを前に突き出すと、変身時の防御技〈サークルシールド〉と同質のバリアが展開され、メンヌヴィルの炎からキュルケを守った。
「あ、ありがとう…でも、今のは?」
「礼や疑問は後だ。それよりも、こいつをどうにかしなければ…」
そうだ、人質が解放され、敵がこいつ一人。こいつがどれほどの強敵なのかはすでに承知の上だが、こいつが自分たちを逃がしてくれるとは到底思えないのだ。
「無事か!」
アニエスとタバサが二人の元に駆けつける。
「ほぅ…俺の炎を防ぐか。しかし惜しかったな。光の弾を爆発させて視力を奪うまでは見事、といっておいてやる」
メンヌヴィルは嫌な微笑を向けてきた。そのとき、キュルケはメンヌヴィルの目を見て絶句した。
「…まさか…あなた…」
「そういうことか…」
シュウも気付いて納得した。メンヌヴィルの目には……光が無い。それに奴の右目は黒い仮面で、左目は真っ白に染まっている。
「俺は目を焼かれていてな。光がわからんのだよ」
そう、彼は両目とも失明していたのだ。真っ白に染まっている目も義眼なのである。
「だったら、なぜ…キュルケが見えていたの?」
さっきのキュルケに対する彼の攻撃は、敵を目視できる者と同じ動きだ。タバサもいつになくメンヌヴィルに向けて戦慄を感じ、冷や汗が流れ落ちたのを感じた。
「正確には見えていたのではない。俺は視力を失う前から炎を扱う内に敏感になっていてな。温度で誰がどこにいるのか、何を考えているのか…わかるのだよ。温度でお前たち一人ひとりの区別もわかる。そう、まさに獲物を狙う蛇のようにな。
まぁ、他にも…闇の力を得たことで相手の思考、そいつの見えているものも把握できるようにもなっているが、長らく肉眼を持たん俺としては、温度で相手を判別する方が慣れていてな」
キュルケは恐怖を覚えた。こんな人間がいるなんて思わなかった。自分の家族も優れたメイジではあるが、こいつは闇の力を…闇の巨人としての力を持っている。しかも闇の力を抜きにしても、火のメイジとしてこれまで出会ったことが無い恐ろしさをもっていたのだ。
こんな奴に、一体どうやって勝てばいいというのだ?
「お前、恐怖しているな?いいぞ、そういうやつの焼け焦げた匂いも、俺は無性にかぎたいんだ」
「ッ…」
「伏せろ!!」
死を悟ったキュルケが目を伏せた時、シュウが咄嗟に叫び、ブラストショットをメンヌヴィルの足元に向けて放った。それに反応し、メンヌヴィルはフライの魔法を自分にかけて跳躍する。それも人間の跳躍とは思えないほどの高さまで飛んでいた。波動弾は彼の立っていた場所の床を砕く。
宙を飛ぶメンヌヴィルに、シュウはすかさずブラストショットやディバイドシューターで応戦する。
それを宙に浮いたままよけ続けるメンヌヴィルは、ガラス
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ