贖罪-エクスピエイション-part4/学院の危機
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」
「時間だ」
ついに約束の時間が訪れ、メンヌヴィルは腰を上げた。それを見て人質たちは恐怖する。自分なのか、別の誰かなのか。なんにせよ死が間近に迫っていた。
「一人選ぶがいい。まずはそいつから燃やしてやる」
残酷な選択を強いてきたメンヌヴィル。地球では、高年齢向けの漫画に、生贄を差し出せば他の誰かが助かる、別の誰かを殺さないと自分が生き残れない…などといった残酷な物語を展開しているものがあるが、今がまさにそれだ。しかし、誰も名指しすることは無かった。別の誰かを指名することで、別の誰かから軽蔑と失望を買い、そして自分はそれに一生苦しむ。生きていても死ぬことと同じくらい辛い苦しみが待っているのだ。
結局誰も自分以外の誰かを指名しなかった。
「なら俺が適当に選ぶ。恨むなよ」
「わしにしなさい」
ならば自分が名乗りでるまで。オスマンが自分を指名したが、メンヌヴィルは承らない。
「あんたは人質の中でも価値がある。選ぶわけにいかん」
やはり自分を選ばないか。オスマンはひげの下で歯噛みする。もはや願うしかない。この状況を打破する救世主が現れるのを。
そのときだった、食堂の中に、数多の紙風船が漂いだした。
人質にされている生徒・教員・平民、彼らを監視するビーストヒューマン、そしてメンヌヴィルの顔が紙風船の方に向かった瞬間、食堂の外から見ていたキュルケが炎の魔法で、そしてシュウがディバイドシューターで紙風船を撃った。
瞬間、紙風船はスタングレネードとしてまばゆい光と爆音を立てた。
「きゃあああああ!!」
生徒たちの悲鳴がとどろく。直視したことで食堂にいた人達は視界を奪われた。シュウ・キュルケ・タバサ・そしてアニエスと彼女が率いる銃士隊はすぐに食堂に飛び込んだ。
「みんな早く!そのまままっすぐ走って!」
まずは人質を救出。縄を解除する魔法を使ってキュルケとタバサは皆の拘束を解く。その間、シュウと銃士隊は人質を捕らえているビーストヒューマンを奇襲する。
「ぐわあ!!」「ぬぐああ!!」
シュウのブラストショットの波動弾が、銃士隊のマスケット銃や剣が、奴らを撃ち抜き、切り捨てていく。そして敵がメンヌヴィルを除いて全滅した。
「残るは、あんただけね!覚悟なさい!」
今の奴は、闇の巨人に変身する余裕も無いはず、なら今こそが奴を倒すチャンスだ!
「!ミス・ツェルプストー!待ちなさい!」
コルベールが何かに気付いたようにキュルケに向けて叫ぶが、彼女は得意の魔法〈フレイムボール〉をメンヌヴィルに向けて放った。
…しかし、彼女の炎は、かき消された。
「え…!?」
とっさにメンヌヴィルが彼女に向け、さらに大きな炎を放ったのだ。
「キュルケ!」
思わずタバサがキュルケに叫んだ。
「!」
それにいち早く対処したのはシュウだった
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