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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
贖罪-エクスピエイション-part4/学院の危機
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が見ておく。だからここで待っていなさい」
コルベールも、今はリシュに構っている場合ではないと考え、何とか優しく彼女を説得する。時間が惜しい。それだけ言い残して、シュウとコルベールはリシュを研究室に残し、走り出した。
「シュウ兄…!!」
引き止めるような彼女の声が、走り去っていくシュウの耳に鋭く突き刺さったような気がした。


「そろそろ7分経過する…」
まだなのかコルベール。アニエスは焦る気持ちを抑えるのに必死だった。これ以上待っていれば、今度こそ人質のうちの誰かが焼かれてしまう。
それはキュルケも同じだった。やはり逃げたのではないかと、疑惑が確信に近づいてる気がしてならなかった。
しかしその心配は無用だった。シュウとコルベールの二人が、ようやく戻ってきた。
「すまない、遅くなった」
「状況はどうなっている?」
「遅いですわ。もう後3分で人質の誰かを殺すつもりよ。あいつら」
「…まずいな。だが急げば間に合うかもしれん。みんな、すぐに手伝ってくれ」
キュルケからもう時間が残り少ないことを知り、コルベールはすぐに箱を開いた。
すぐに紙風船に、特殊な粉を入れる作業が始まった。とにかくたくさんの風船を、彼らは作った。


「…約束10分まで、あと30秒…」
ついにタイムリミットが近づいてきた。ここまで時間を経過させて、あのメンヌヴィルが約束どおりまだ人質を誰一人として手にかけなかったことに、シュウは意外に感じた。内部の様子を窓から確認しながら、作戦を共にする仲間たちに目を向ける。
「準備は?」
「いつでも飛ばせる」
タバサがシュウからの確認に静かに答える。すでにキュルケとコルベールと共に、レビテーションの魔法で、可能な限り作り上げた紙風船を浮かせている。
風の魔法でこれを飛ばし、中に全部入れたところでキュルケがそれを消し飛ばし、その光で敵の視力を一時奪う。そしてその間に人質を救出。その間監視のビーストヒューマンは銃士隊が相手にする。これが作戦の概要である。
だが、少しでも皆を助ける可能性がほしい。シュウはコルベールに向けて手を伸ばした。
「先生、そろそろあれを」
それが何を求めての言葉なのかすぐにわかった。取り上げた装備品を返してほしいという要求だ。最初に彼が目を覚ましたときはそれが露骨で、たまらず取り上げてしまったが…この状況下では確かな判断。しかし同時に今でもシュウが無理をすることが懸念された。
「…わかった。だがさっきも言ったが…」
「わかっている。少なくとも、今はそのつもりじゃない。まずは、人質を助ける」
コルベールはその言葉を聞き届け、シュウにエボルトラスター、ブラストショット、ディバイドシューター、パルスブレイガー…全ての装備品を返却した。
「いいかね、まずは人質の救出を優先するんだ」
「了解
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