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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
769部分:第百十八話 閉じられている目その二
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第百十八話 閉じられている目その二

「それならばだ」
「ですか」
「そうだ。いいな、それではだ」
「私の目を開きたければ」
 シャカは冷静なままである。
「そうされるといいでしょう」
「容易ではないというのだな」
「侮ってはいません。しかしです」
 ケーレスも神だ。それで侮る筈もなかった。
「それだけではありません」
「意地か」
「誇りとも言うでしょうか。少なくとも貴方に対しても容易に目を開くつもりはありません。これは誰に対しても変わらないことでありますが」
「それは誇りだな」
 シャカの言葉をここまで聞いたうえでだった。
「バルゴ、貴様のな」
「やはりそうなりますか」
「しかし貴様の誇りは目を開いてからも存在する」
 既にそれも見ているのである。
「それからもだ」
「では。はじめますか」
「いいだろう。それではだ」
「はい、では私の技をお見せしましょう」
 凄まじい小宇宙だった。それは他の黄金聖闘士達が見ても驚くべきものだった。
 その小宇宙を放ちながらだ。シャカは言うのであった。
「オーム」
「オームか」
「ふむ。御存知でしたか」
「魔神達を倒した時に見ていた」
 その時だというケーレスであった。
「既にな」
「そうですか。あの時に」
「一瞬だったな」
 語るケーレスのその言葉が鋭いものになった。
「前の生よりさらに強くなっているな」
「あの時の私ともまた違いますので」
「ふふふ、そうだな」
 ケーレスはその言葉を受けて不敵に笑ってみせた。
「さらに己を高めたというのだな」
「如何にも」
「あの時の貴様も今の貴様も同じだ」
「それもまた真実です」
「しかしそれだけではない」
 こうも言うのだった。
「実力は高めている」
「貴方もそうではないのですか?」
 シャカはケーレスに対しても言葉を返した。
「それは」
「私は封印されていた」
「しかしその中においてもですね」
「鍛錬を積むことはできる」
「そうですね。その中にあっても」
「私はこの時を待っていたのだ」
 シャカを見据え続けている。だがシャカは目を開いてはいない。それはまだであった。その目をまだ開こうとはしていない。しかし見えていたのである。
「貴様と再び闘えるこの日をだ」
「あの時私はライブラの武具を持っていました」
「それがどうかしたのか」
「それでもです」
 シャカの言葉が少し変わってきた。
「あの時は私の力を完全に出してはいません」
「ライブラの武具に頼っていたというのだな」
「ですから純粋な勝利ではありません」
 その言葉には純粋に悔悟が見られた。彼は明らかにその時の勝利を純粋な勝利だとは見ていなかったのだ。そのことは言葉にも出てしまっていた。
「しかし今はで
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