【ハリー・ポッター】編
176 “トム・リドルの日記”
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、アニーとハーマイオニー以外には女子トイレに俺が入り浸っているなんてバレていないと思うが、少なからず向けられているだろう二人からの信用失いたくない。
閑話休題。
トイレに忍び込むと、いつもとは趣が違っている事に気付く。……女子トイレの戸を開けたのはいつもと同じ時間帯なので本来ならマートルがどこからともなく喜色ばんだ笑みで湧いてくるはずなのに、今日はそうではなかった。
<ごめんなさい、今日は楽しくおしゃべり出来そうにないわ…>
マートルの様子を見る限り、マートルは明らかに憤慨していた。それに気付いたアニーがマートルに心配の声を掛ける。
「……どうしたの? ……またピーブズに嫌な事でも言われたの?」
<それもあるわ──でも私それよりもっと許せない事があるの!>
………。
……。
…。
<はぁはぁ…っ…。……ふぅ…。叫んでたら何だかすっきりしちゃった。愚痴を聞いてくれてありがとう>
「………」「………」
マートルの怒声、ピーブズやその下手人≠ノ対する罵詈雑言は15分くらいしたところで漸く治まりをみせるが、アニーとハーマイオニーの顔からは──特にアニーの顔からは生気が抜けていた。律儀にちゃんとマートルの愚痴を聴こうとしていたのだろう、マンガとかでよくあるちーん≠ェ幻視できる。
(……これなら、知識≠ノ差異は無しだな)
マートルの話を簡単に掻いつまめば、マートルがトイレのU字講のところで死≠ノついて考えている時に冊子が投げ込まれたので、主にそれについて憤慨しているのだとか。
……ちなみ俺は並列思考のサブの思考をマートルの話の相槌に割り振り、メインの思考を、これから手に入るであろう“トム・リドルの日記”の処断方≠ノついて頭を回らしていたのてそこまで暇ではなかった。並列思考万歳。
<……で、あれが私に向かって投げられた本よ。マートルの鼻に当たれば50点〜♪>
マートルは、今度は落ち着いてそうおどけながらトイレのある個室の前の足元を指す。……そこにあったのはびしょ濡れの、黒いカバーの無骨な本──みたいなもの見付ける。……カップ≠竍ロケット≠ニ同じ嫌な気配≠ェするあたり、日記≠ニ断定しておく。
「……これは…日記、かしら…? あら、名前が書いてあるわね。……何々[T・M・リドル]──」
まずは俺達の中で一番知的好奇心が旺盛なハーマイオニーが日記を¥でつつきながら検分する。……軈て持ち主の名前らしきものを見付け、そして、それを読み上げた途端、ハーマイオニーは全身金縛りの術≠掛けられたみたいに硬直する。
アニー
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