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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第46話『白鬼』
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行方向に、先端が血に塗れた1本の氷柱が落ちているのが見えた。


「氷…? ユヅキ…か…?」


その氷を見て、図らずもユヅキの姿が思い起こされる。が、ユヅキがこんなことをするとは思えない。

犯人は、ユヅキとは違う、氷の魔法使いだ。


「誰だ…?!」


声を絞り出しながら、後ろを振り向く。


──するとそこには、肩にかかるくらいの銀髪をした、少年が立っていた。


「おや? まだ生きているのか。狙いが甘かったかな」


まだ声変わりのしていない、高い声が耳に入る。だがそれも彼の身長を鑑みれば、妥当といえよう。恐らく晴登よりは歳下である。
小学生ぐらいとあってか、顔の造りに可愛げがある。蒼い眼に白い肌という点を合わせると、もはや西洋の人形が擬人化したのではないかと疑うほどだ。


「誰だ、お前は…?」

「おいおい、無理に喋ると傷が痛むだろ? 大人しくしてた方がいいと思うよ」


だが、彼の大人びている言い方や嘲笑に、その評価は崩れ去っていく。というか、むしろ「いけ好かない」という評価を贈りたいくらい。
それだけ『嫌な奴オーラ』を出している彼だが、自分を傷つけた犯人は彼で間違いなさそうだ。
とすると、人を傷つけておいて、なぜここまでのうのうとしていられるのか。そこは疑問でならない。

それにしても、なぜ彼はこの地獄にまだ身を置いているのだろうか。彼だって、逃げなきゃいけない状況には変わりないはずなのに・・・


「でも、細かい…ことはいい。悪いが、邪魔…しないでくれるか? 行かなきゃ…いけないんだ」

「へぇ。避難する訳でもないのに?」

「っ…」


何とか関わり合いを避けようとしてみるも、どうにも逃がしてくれなそうな雰囲気。
かといって強行突破しようにも、傷のせいで上手く身体を動かせない。それに息を整える時間も要る。

晴登は寝転がったままはマズいと思い、とりあえず座る体勢に移行しようとした、その刹那、


「まぁいいよ。どうせ君はここで死ぬんだし。あぁ残念だね」

「は…? 何言って・・・」


晴登はそこで言動を止める。否、止めるしかなかった。

──頬に冷たい刺激と温かい液体が流れるのを感じる。そしてそれは、かすり傷の様にヒリヒリと痛みを伴い始めた。


「何の…つもりだ?」

「強さを誇示してるのさ。獲物が抵抗しないようにね」

「何で、俺を狙う…?」

「別に標的は君と決まっている訳じゃないよ。けど、君みたいな奴は標的だ」

「何言ってるのかわかんねぇよ…」


晴登は未だに痛みの信号を送り続ける脳で、必死に思考を巡らしてみる。
まず、奴の正体。怪しい、というのはもっともだが、どうも危険な感じ
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