第3章:再会、繋がる絆
第79話「決死の時間稼ぎ」
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優輝さんから、合図の念話が来る。それと同時に、私は防御魔法の外に出る。
「奏!?何を...!」
「...優輝さんが危ない。だから、私が助けに行く。」
ユーノの言葉に、私はそう答える。
...優輝さんが私に伝えた指示は、一緒にいたユーノ達以外知らない。例え知っていたユーノでも本当にするとは思えない事だ。だから驚くのも仕方ない。
でも、それでも制止の声を無視して私は飛んだ。あの人の下へ。
辿り着いた時には、既に絶体絶命だった。
優輝さんは気絶。椿さんも満身創痍で戦闘不能。
ユニゾンが解けた葵さんしか戦える人はいなかった。
そして、偽物はトドメを刺すための剣を創造して三人に向けていた。
...それを見た私は、容赦なく横からハンドソニックで斬りかかった。
ギィイイン!!
「っ....!なに...!?」
「させない...!私が、相手になるわ...!」
何故か増えている偽物の片方が驚く。
あの優輝さんやユニゾンした椿さんを圧倒していた事から、力で勝てるはずがないと判断。すぐに私は飛び退く。
「...オリジナルにすら劣る奏が、なぜここにいる?」
「......。」
挑発染みた言葉で、私に話しかけてくる。
多分、魅了されていた時の私ならあっさりと引っ掛かっていたと思う。
「『...葵さん。援護を頼みます。』」
『....了解。』
...動きは見える。何故かは分からないけど、今はそれがありがたい。
後は...偽物の動きを掻い潜って一撃を与えるだけ...!
「っ....!」
宙を蹴り、一度離した間合いを一気に近づける。
対して、斬りかかられる方の偽物も、もう一人の方も一切動揺していない。
...大したことがないと思われているのだろう。
ギィイイン!!
「くっ....!」
「軽い上に単調だ。...受け流すまでもない!」
―――“Delay”
受け止められ、放たれた反撃を高速移動で躱す。
...見える。そして、対処ができる。だから...!
―――トクン...。
「(速く....!)」
〈“Delay”〉
微かに耳を打つ鼓動の音と共に、再び高速移動で斬りかかる。
―――トクン...。
「(もっと、早く...!)」
「うん....?」
〈“Delay”〉
さらに重ね掛けし、速度を高める。
まだ...まだよ...!まだ、足りない...!
―――トクン...。
ッ、キィン!
「(速く、早く....!)
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