暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第79話「決死の時間稼ぎ」
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       =out side=





「エイミィ、結界の解析は?」

「まだです!この結界、解析しきれないようにするためか、先程術式が書き換えられました!」

 アースラにて、リンディの言葉にエイミィが解析のためのキーボードを叩きながら答える。

「っ...優輝達が助けに入ったのに、どうしてまだ...!」

 アリシアもまた、結界の解析のために奔走している。

「....助けに、入った...?」

 そして、そこでふと気づく。

「エイミィさん!」

「どうしたの!?」

「あの結界、もしかして侵入自体はできるかもしれない!」

 そう。優輝達はなんの抵抗もなく結界に入った。
 それ自体はアースラでも観測している。
 ...つまり、結界に入る事自体は普通に可能なのだ。

「気づかなかった...!優輝君たちが入れるなら...!...艦長!」

「...ええ。...行けるわね?プレシア。」

「分かったわ。」

 入れると分かれば、リンディはプレシアへと声を掛ける。

「結界内に入れば、通信は断絶される。こちらでも結界の解析を急いでいるけど、そちらで決着が着くまでに解析しきれるかわからないわ。そして、あちらにはアースラに干渉する事も可能にしている。...投入できるのは貴女だけよ。それでもいいかしら?」

「当然よ。...フェイトもあそこにいるのだから、母親である私が黙って見ている訳にはいかないわ。」

 そう言ってプレシアは魔力を滾らせる。
 ...フェイトが心配が故に、抑えきれなくなっているのだ。

「では、行ってちょうだい。」

「ええ。」

 短く返事をし、プレシアは転送ポートへと向かった。









       =奏side=





「ぁ...!」

 響く魔法の炸裂音に、声が漏れる。
 あの圧倒的な魔力は、おそらく偽物の方。

「優輝...!このままだと...!」

 クロノが危機感を感じている。
 ...私も同じだった。なんとなく、優輝さん達がピンチになっていると分かった。

「.....!」

「奏ちゃん....?」

 なのはが声を掛けてくるが、それが耳に入らない。
 気が付けば、ユーノやリニスが張っている防御魔法の傍まで来ていた。

「(優輝さん....。)」

 かつて、私に生きる希望を見せ、そして私に心臓を託して逝ってしまった人。
 そして、魅了されていた私を救ってくれた私の恩人。
 その人が今、危機に陥っている。

『奏...頼む。』

「っ....!」

 ....だからこそ、今度は私が助けると、覚悟した。

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